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幸せを呼ぶカドリーユ ローズ・デ・ヴォン [カリブ海]

Rose Des Vents  QUADRILLE.JPG

いやぁ、なんてほがらかなんでしょう。
柔らかくしなやかに横揺れするスウィング感に身をゆだねていると、
しぜんに頬がゆるんでしまって、幸せな気持ちでいっぱいになります。

こんなに人の気持ちを幸せにする、心地よいリズムに出会えたのは、
去年のモセ・ファンファンのアルバム以来かなあ。
何を聴いているのかといえば、グアドループのカドリーユ楽団のアルバム。
自主制作盤ぽい作りで、ディスクはCDRだし、CD番号は1盤となっていますよ。

表紙には、たっぷりと横幅のあるお婆さんを中央に、
揃いのオレンジのシャツを着た楽団のお爺さんたちが並んでいます。
グアドループは昔からカドリーユが盛んで、さまざまなダンスの組合もあると聞きますが、
このグループも、地元で息長く活動しているカドリーユ楽団なんでしょうか。

マダム・デュピュイやラ・フランム・アビミエンヌなど、
昔から数多く作られてきたカドリーユ・アルバム同様、
本作もなんの変哲も無いダンス向けアルバムなんですけど、これがすっごくいいんですよ。
カドリーユの伝統的な形式に従い、
パンタロン、エテ、プール、パストゥレル、フィナルの5曲のあと、
歌入りと演奏のみのビギンを2曲やり、最後にヴァルスで締めくくっています。

号令役のお婆さんの声がシブくって、いいんだなあ。
カドリーユは歌ではなく、ダンスを指揮するかけ声をかけるものなので、歌唱力は無用。
そのかわり、ビギンでシロウト丸出しの歌いっぷりがバレちゃってますけど、
その分を若い男女コーラスがしっかり補っていて、微笑ましく聴くことができます。
インスト演奏のビギンでは、なかなか達者なギターがフィーチャーされていて、
男女コーラスといい、このギタリストといい、ちゃんと助っ人を加えて、
アルバム向けにきちんとプロデュースを施していることがわかります。

ぶんちゃっちゃ、ぶんちゃっちゃと三拍子を刻むアルバム・ラストのヴァルスなんて、
お爺さんとお婆さんが手を取って、楽しそうにダンスをしてる姿が目に浮かびかのよう。
グアドループの日常を切り取った、幸せを呼ぶカドリーユ・アルバムです。

Rose Des Vents "QUADRILLE" Région Guadeloupe RDV01 (2013)
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