大満足のジャズ新作 ゲイリー・バートン [北アメリカ]
ゲイリー・バートンの新作、スゴイですね。
正直もう過去の人みたいに思ってましたけど(←無礼者)、とんでもありませんでした。
ザ・ニュー・ゲイリー・バートン・カルテットという名義どおり、
グループとしてのコンビネーションをいかんなく発揮した内容で、
ひさしぶりにジャズの醍醐味を味合わせてくれましたよ。
まず耳を捉えたのが、スコット・コリーとアントニオ・サンチェスの強力なリズム隊。
サンチェスのキレまくったドラミングが、カルテットの熱量をグンと上げています。
さすがのバートンも、クールに構えているわけにはいかなくなったんでしょうねえ。
これほどエネルギッシュなプレイを聞かせるバートンは、久しぶりな気がします。
躍動感あふれるサンチェスのドラム・ソロばかりでなく、
コリーとのしなやかなグルーヴにもホレボレしますよ。
ギターのジュリアン・ラージもいいですねえ。
2曲目出だしのヴァイブとギターによるユニゾン・ラインなんて、
往年のバートンとラリー・コリエルのコンビを思い出さずにはおれません。
パット・メセニーぽいギターを弾く人だと聞いてましたけど、
本作を聴く限り、あまりメセニーぽさは感じませんね。
このカルテットの音楽性に特に目新しい刺激があるわけではなく、
あくまでもオーソドックスなジャズなわけですけど、
今日びこれほどシマったプレイとムダのない演奏とは、
なかなか出会えるもんじゃありません。
な~んて、ジャズの新作をろくにチェックもしてないので、
偉そうなことはいえませんけどもね。
アルバム全体がカラフルな印象となっているのは、
曲調の異なる10曲をうまく配列したところ。
バートンの曲2曲、ラージの曲3曲、コリーの曲1曲、サンチェスの曲2曲という
個性豊かな4人の曲によって、バートン節一色となっていないところがナイスです。
ミッシェル・ルグランの“Once Upon A Summertime” を取り上げ、
さらりとした哀愁味を加えたところも妙味ですねえ。
でも、なんといっても最大の聴きものは、アントニオ・サンチェスのドラムス。
柔軟にしてしなやか、強靭さとセンシティヴをあわせもったドラミングがもろぼく好み。
こんなに夢中にさせられたドラマーは、マーヴィン・スミッティ・スミス以来です。
サンチェス作のモンクふうの曲でアルバムを締めたところも、実に爽快。
大満足のジャズ新作でありました。
The New Gary Burton Quartet "GUIDED TOUR" Mack Avenue MAC1074 (2013)
2013-06-25 00:00
コメント(2)
お久しぶりです。
BluesDavidson の「Subway」を彷彿させるトーンのポートレート写真、たまりませんね。
先日のファタイ・ローリング・ダラーのストロボ一発直射みたいなジャケット写真も良いな。
作られた?画像に囲まれているとストレートな物に惹かれます。
by ZawaJawa (2013-06-25 09:17)
なるほど、フォトグラファーらしい視点だね。
本棚からひさしぶりに“SUBWAY” 取り出して眺めてみたら、
表紙カヴァーのそでに載ってるBlues Davidson の写真、
ゲイリー・バートンのこの写真とちょっと似てたりして。
by bunboni (2013-06-25 20:32)