アムハラのどすこい節 ゲネット・マーシレシャ

　　　

「エチオピアの天童よしみ」ことゲネット・マーシレシャの新作。
容姿ばかりじゃなく、安心して聴いていられるヴェテランならではの安定した歌いぶりが、
天童よしみをホウフツとさせると思ってるんですけど、どうですかね？

05年作“LEB WULEK” 以来ひさしぶりに聴く新作ですが、
今作もツー・ビートのどすこいビートにのって、気持ち良いくらいグイグイこぶしを回しています。
少しひび割れたゲネットの声も、あいかわらずヴァイタルですねえ。
エチオピアの音楽酒場アズマリ・ベットでは、
きっとアムハラ・ダンスのエスケスタを踊ってるんだろうなあ。
う～ん、一度現地で体験してみたい。

“LEB WULEK” のプロダクションとまったく変わらず、
打ち込みを中心にマシンコなどの伝統楽器にサックスを絡ませつつ、
男声のお囃しも加わった祝祭感いっぱいの伝統サウンドを繰り広げます。
ぶっといハチロクのツー・ビートが醸し出す、グルーヴの心地よさといったら。
揉み手をするような手拍子で打つ、粘っこくもまろやかなノリが、
日本人にもなじみやすい宴会ムードそのもので盛り上がります。



ゲネット・マーシレシャのＣＤを出しているマスター・サウンドは、
こうしたアムハラ伝統歌謡を専門とするレーベルのようですね。
レムレム・シュメテという女性歌手のアルバムも
ゲネット同様のサウンド・プロダクションで、こちらもオススメできます。

Gente Masersha "CHIS ALBAW NEDAJ (ABAY)" Master Sound no number (2011)
Genet Masresha "LEB WULEK" Master Sound no number (2005)
Lemlem Shumte "SESTE" Master Sound no number (2011)