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スライゴーに根を生やして ダーヴィッシュ [ブリテン諸島]

Dervish  THE THRUSH IN THE STORM.JPG

やっぱダーヴィッシュは、すごいや。
届いたばかりの新作を聴いて、
アイリッシュ・バンドとしてトップの実力を誇るその底力に圧倒されました。

ダーヴィッシュは、ルナサのような革新性で聞かせるバンドでもなければ、
アルタンのような洗練や叙情といった個性とも異なる、土臭さが持ち味ですね。
スライゴーの大地に太い根を生やし、伝統の養分をぐんぐんと汲み上げながら、
じっくり育ってきたことを感じさせる逞しさを、彼らからは感じます。
もちろんレパートリーは故郷のスライゴーばかりでなく、
アイルランド各地の曲を取り上げているわけですけれども。

その意味では、数あるアイリッシュ・バンドの中でも、
伝統のど真ん中を行っているのが、ダーヴィッシュといえるのかも。
新作は、自分たちがやるべきことをしっかりとやっているといった揺るぎなさで、
ダイナミックかつ深みのある演唱を聞かせます。

その意味では、過去作と大して変わらない内容ともいえるんですけど、
その変わらなさが、彼らの太い幹であるアイルランド伝統音楽の証明のようなもの。
キャシー・ジョーダンの歌も伝統音楽の歌手らしいルーラルな歌唱を聞かせていて、
二十年を越すキャリアを経てもなお、素朴な味わいを失っていないところは立派です。

彼らの演奏には、とりたてて計算されたアレンジはないように思えるんですが、
それでいて、フルートとフィドルが奏でるハーモニーなどには現代性がしっかりと現われていて、
これこそライヴ・バンドとして長年現場で鍛えてきた賜物なんでしょうね。
う~ん、CDを聴いているだけじゃあ、物足んないなあ。
また来日してくれませんかね。

Dervish "THE THRUSH IN THE STORM" Whirling Discs WHRL015 (2013)
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