ノルデスチ芸能とロックの幸せな結婚 アルセウ・ヴァレンサ [ブラジル]
ノルデスチ・ロック芸人アルセウ・ヴァレンサの80年代前半の3作がボックスCD化されました。
初めてアルセウ・ヴァレンサを聴いて、いっぺんでファンになった
81年のアリオラ盤“CINCO SENTIDOS” もようやくCD化されましたよ。嬉しい~♪
80年代のはじめ、ゼー・ラマーリョ、エルバ・ラマーリョ、ファギネル、アメリーニャといった
ノルデスチ出身の歌手たちが活躍してMPBの一角を賑わせるようになりましたが、
ぼくはアルセウ・ヴァレンサが一番好きでした。
アルセウのヴォーカルはロック世代のセンスそのものといえるのに、
彼の音楽にはノルデスチ芸能がしっかりと染み込んでいて、
ノルデスチ芸人魂を強烈に感じさせるものとなっていたんですね。
突き抜けるようなアルセウの個性的なヴォーカルは、はればれとした自由さに溢れていて、
シャウトしてもぜんぜん重くならない伸びやかさが魅力でした。
今回ひさしぶりに81年作の“CINCO SENTIDOS” と
83年作の“ANJO AVESSO” を聴き直しましたけど、
みずみずしさはまったく変わっておらず、爽やかな印象は昔のままでした。
バイオーン、ショッチ、フレーヴォ、マラカトゥといったノルデスチの多彩なリズムのほか、
ピファノがぴーひゃら鳴り響く曲あり、複弦5コースの北東部ギターのヴィオーラと
ギターとのアンサンブルをフィーチャーした曲ありと、民俗色豊かなサウンドもカラフル。
アルセウの音楽は「ノルデスチ芸能とロックの幸せな結婚」そのものです。
ちなみに、個人的には、81年作と82年作の2枚の復刻だけでよかったんですけど、
ボックスにはオランダ録音の84年作“MÁGICO” もあり。
このアルバムはアルセウのバンド・メンバーのみで録音されているため、
ストレイトなロックぽさが全面に出ていて、ノルデスチ民俗色は後退しています。
Alceu Valença "CINCO SENTIDOS" Universal 04400171752 (1981)
Alceu Valença "ANJO AVESSO" Universal 60253731566 (1983)
2013-07-31 00:00
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