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ジャンゴの極私的思い出 ジャンゴ・ラインハルト [西・中央ヨーロッパ]

Django Reinhardt on Vogue (1934-1951).JPG

はぁ。これじゃ抗しがたいですね。
ジャンゴ・ラインハルトがフランスのヴォーグに残した8作品をコンパイルしたボックス。
1980円という表示に我が目を疑いましたよ。CD8枚組でこの価格。
「0」をひとつ書き忘れてんじゃないかというお値段であります。
ボックスものはできるだけ買わないようにしているとはいえ、さすがにこれだと手が伸びます。

ジャンゴのボックスでは、これまでも10枚組や15枚組とかがありましたけど、
それらは解説なしの、まさに曲が聴けるだけという、廉価レーベル制作のボックス。
ところが、こちらはソニー・フランス製のボックスで、32ページのブックレット付き。
ジャズ・ピアニストでソニー・ジャズのA&Rも務めた、
アンリ・ルノーのライナー・ノーツが、英仏二カ国語で載っています。
装丁の方も、しっかりとした作りの化粧箱入りで、正直、19800円で売ったって、
ぜんぜん不思議ないクオリティですよ。

というわけで、これからじっくりジャンゴ・ラインハルトを聴き直そうと思っているんですが、
今日はちょっとだけジャンゴの個人的な思い出話を。
ぼくがジャンゴを知ったのは、幼稚園の頃、父がかけていたレコードがきっかけでした。
父がラテン音楽好きであったことは、これまでも何度か書いたと思いますが、
ラテン以外にジャズのレコードもちょくちょく聴いていたんですね。

なかでも父のお気に入りは、ジャンゴ・ラインハルトや
ニュー・オーリンズ・ジャズのジョージ・ルイスで、
今思うとメインストリームなジャズには関心がないようでした。
「エキゾティックな響きを持つ音楽が好き」というテイストは、父から引き継いだようなもので、
のちにダン・ヒックスの“STRIKING IT RICH!” を無人島レコードとして惚れ込むようになるのも、
この頃に蒔かれた種という気がします。

ま、そんなこんなで、ぼくもジャンゴを好きになったんですが、
なぜかぼくは、ジャンゴ・ラインハルトの名前を、アントン・カラスと間違えて覚えてしまったのでした。
ちょうどその当時、ハンガリー系オーストリア人ツィター奏者アントン・カラスによる
『第三の男』のテーマ曲が爆発的なヒットをしていて、この曲もお気に入りだったぼくは、
ジャンゴとアントン・カラスをごっちゃに記憶してしまったんですね。

その間違いに気付かされたのは、十年以上経った中学生の時。
学校の何かの行事の時にかかったジャンゴ・ラインハルトのレコードに、
「これはアントン・カラスだね!」と得意満面に答えたぼくは、
先生からものの見事に鼻をへし折られ、赤っ恥をかいてしまいました。
まあ、今思えば、ともにジプシー音楽をルーツとする二人を混同していたのだから、
なかなかに味わい深い、思い違いだったような気もしますけれど。

子供の頃、長年にわたってアントン・カラスと思い込んでいたせいか、
いまだにジャンゴ・ラインハルトの名を見るたび、アントン・カラスが頭をよぎるのでした。

Django Reinhardt "DJANGO REINHARDT ON VOGUE : COMPLETE EDITION (1934-1951)" Sony Music 88725444692
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