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トゥー・ステップス・フロム・エチオ・ジャズ インペリアル・タイガー・オーケストラ [西・中央ヨーロッパ]

Imperial Tiger Orchestra  Wax.jpg

インペリアル・タイガー・オーケストラの新たなる展開、支持します!

デビュー作“ADDIS ABEBA” を聴いて、往年のエチオ・ジャズを再現する演奏力にぶったまげ、
アフロビートの次はエチオ・ジャズだ!とばかりに大騒ぎしたんですが、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2011-01-07
続いて出た“MERCATO” がいきなり大人しくなってしまって、失望してたんですよ。
デビュー作の粗削りなところをそぎ落として、サウンドをきれいに整えただけの印象が強く、
若いバンドが、わずか2作目で守りに入ってどうすんだよと。

デビュー作の咆哮するサックスや暴れまわるオルガンに、
かつてのどくとる梅津バンドや渋さ知らズをダブらせていたぼくは、
もっと大化けしてほしいという過大な期待を、抱きすぎてしまったんでしょうねえ。
公平にみれば、“MERCATO” が水準以上の作品であることは間違いないので、
あまり不満を表明しないように、自省はしてたんですけれども。

そんなわけで、自分のなかでは彼らへの期待がしぼんでいたので、
今作の化け方は、嬉しかったなあ。
今作のポイントは、重心の低かった60~70年代のエチオ・ジャズから、
80年代以降のチープなアナログ・シンセを取り入れたエチオ・ポップへの変化ですね。
ボトムを軽くし、しなやかなグルーヴに変化させているところがミソ。
リズム・マシーンの無機質なビートを一部で‏取り入れたりしてるんですが、
演奏はライヴ感いっぱいのなまなましさを保っているから、サウンドが安っぽくなっていない。

あと、スーダン音楽に手を伸ばしたラスト2曲も、拍手喝采もの。
スーダン歌謡の大物ムハンマド・ワルディの曲を取り上げるなんて、嬉しいですねえ。
音頭ノリの温かなグルーヴにのせて、サックスもぶりばり吹きまくって、そうそう、こうでなくっちゃね。

今回の変化は、エチオ・ジャズの再現から解き放たれ、
凡百のエチオ・ソウル/フュージョンに陥ることもなく、
インペリアル・タイガー・オーケストラ独自のサウンドを開拓しようとする、彼らの意気を感じます。
エチオ・ジャズから出発した彼らが今後どんなサウンドを生み出していくのか、ますます楽しみです。

Imperial Tiger Orchestra "WAX" Moi J’Connais MJCR022 (2013)
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