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アナトリアの哀しみ ミネ・クーシュ [西アジア]

Mine Kuş  HÜZNÜN SESI.jpg

トルコの音楽はここ数年古典歌謡ばかり聴いていたので、
ハルクを聴くのは、ずいぶんひさしぶりな気がしますね。
ミネ・クーシュという女性歌手、それほど若くは見えませんが、これがデビュー作とのこと。
落ち着いた歌声とこぶし使いは、すでに相応のキャリアを積んだ人とお見受けします。

『哀しみの声』というタイトルどおり、
哀感たっぷりのスロー中心の楽曲をじっくりと聞かせるアルバムで、
こういうハルクがぼくは一番好きですねえ。
ミネの歌いぶりは大向うなところのない丁寧なもので、
歌いこみすぎず、抑制の効いた感情表現が鮮やかです。
凛としたたたずまいは、胸の奥にしまい込んだ哀感をじわりと伝えるようで、グッときますよ。

伴奏がまたスグレモノ。
アクースティックな音感を生かした音づくりで、
きらきらと煌めくタンブールの硬い高音と、むせび泣くズルナの響きが強調されています。
ゆったりとしたリズムを叩く大太鼓を前面に出し、
ドラムスとベースのリズム・セクションを控えめにしているところも好感が持てます。

晴れやかな声にアナトリアの抒情が映えた、美しい一枚です。

Mine Kuş "HÜZNÜN SESI" Arda 130 (2013)
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