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黒人女性ピアノ弾き語りのジャズ小唄 クリオ・ブラウン [北アメリカ]

Cleo Brown  Here Comes Cleo.jpg

コロコロとよく指の回るピアノ。
クリオ・ブラウンの35年のピアノ・ソロ“Pelican Stomp” を聴いてるんですが、
軽いタッチでピアノをハミングさせるように歌わせる右手と、
スウィング感確かな左手が絡むストライド・ピアノに、何度聴いてもため息がもれます。
ぼくはこの人のピアノ・タッチが大好きで、ブギウギの巧さばかりでなく、
チャールストンやリンディ・ホップのダンスにぴったりの軽快なリズム感が、
心弾むんですよねえ。

そしてまた歌がいいんだな。
軽妙なリズムにのって滑舌よく歌うところは、
コケティッシュさを抑えたローズ・マーフィーといった感もある、
いわゆる「ジャズ小唄」です。
当時の黒人女性ピアノ弾き語りで小唄系シンガーといえば、
ジュリア・リー、ネリー・ラッチャー、
マーサ・デイヴィスといった名手たちがいましたけれど、
ジュリア・リーだともっとブルース色が強いし、
ネリー・ラッチャーだともっと黒っぽくてR&B的と、
それぞれに持ち味の違いがありましたね。
この頃の黒人女性ピアノ弾き語りって、
本当に個性的な逸材がいっぱいいたんだなあ。

ミシシッピ生まれ、シカゴ育ちのクリオ・ブラウンは、
14歳でヴォードヴィル・ショウのピアニストとして働き、
パイントップ・スミス流儀のブギウギ・ピアノと洒脱な歌が魅力だった人。
35年にニュー・ヨークでジ-ン・クルーパなどとともに吹き込んだ初録音から、
36年までに7回行われたセッションのうち27曲を編集したヘップ盤は、
クリオの代表的名演をすべて収録した決定版。
“You've Got Me Under Your Thumb” なんて、
スティールギター入りのハワイアン・スウィング風で、もう、サイコーです。

Cleo Brown "HERE COMES CLEO" Hep CD1034
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