セネガルのポピュラー音楽黎明期の充実ライヴ デクスター・ジョンソン&シュペール・スター・ド・ダカール [西アフリカ]
セネガルのポピュラー音楽黎明期に活躍したシュペール・スター・ド・ダカールは、
かつてオランダのダカール・サウンドが2枚組でリイシューしましたけれど、
今回テレンガ・ビートが復刻した69年の未発表ライヴはそれを凌ぐ内容で、これは要注目です。
シュペール・スター・ド・ダカールは、
ナイトクラブ「ミアミ」のオーナー、
イブラ・カッセが専属としたスター・バンドから、
サックス奏者で音楽的リーダーのデクスター・ジョンソンと
歌手のラバ・ソセーが脱退して、
64年に新たに結成したバンドで、
ミアミのライヴァルであるレトワールというクラブの
専属バンドになったのでした。
当時のEP盤にも、レトワールの専用リムジン(?)
とおぼしき車の前でポーズをとる、
デクスター・ジョンソンとラバ・ソセーが写っています。
なんでもイブラ・カッセとデクスターの間でモメたようで、
ギャラの配分とかが原因だったんですかねえ。
のちにも、スター・バンドからメンバーの大量離脱が起こって、
パプ・セック率いるナンバー・ワン・ド・ダカールが誕生しています。
スター・バンドと袂を分かったナンバー・ワン・ド・ダカールが、
ラテン音楽のコピーを脱し、新たな音楽を生み出していったのに対し、
シュペール・スター・ド・ダカールの方は、まだ時代がそこまで成熟しておらず、
スター・バンドとの音楽性の違いはあまり明確ではありませんでした。
じっさいダカール・サウンド盤も今回のテレンガ・ビート盤も、
ラテンや欧米曲のコピーというレパートリーは変わらないんですが、
演奏の充実ぶりがぜんぜん違うんですね。
デクスター・ジョンソンが時折ブロウするソロで要所要所に聴きどころを作っていて、
ダカール・サウンド盤の甘いトーンのサックス吹きというイメージが打ち破られました。
レパートリーもパチャンガやニュー・ヨーク・ラテンのナンバーばかりでなく、
ブーガルー・ナンバーにサザン・ソウルのカヴァーまで取り上げているのが聴きもの。
特にウィルソン・ピケットの“Something You Got” の歌は堂に入ったもので、
MGズをホウフツとさせる演奏力も圧巻。これは名演ですよ。
Dexter Johnson & Le Super Star De Dakar "LIVE À L’ÉTIOILE " Terenga Beat TBCD019
Dexter Johnson & Super Star De Dakar "SERIE SANGOMAR 1" Dakar Sound DKS016
[EP] Laba Sosseh & Super Star De Dakar "La Sitiera - El Loco" N'Dardisc 45-08 (1967)
[EP] Dexter Johnson & Super Star Dakar "Mini Compay - La Bicyletta - Seul" N'Dardisc 45-11 (1968)
[EP] Super Star De Dakar "Maria Helena - Yo No Quiero Lios" N'Dardisc 45-13 (1968)
2014-05-29 00:00
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