クリオージョ歌謡の次はアフロペルー ホルヘ・パルド [南アメリカ]
やるなぁ、ホルヘ・パルド。
前作のクリオージョ歌謡に続いて、今度はアフロペルーへの挑戦です。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2011-01-25
前回がオーソドックスなクリオージョ音楽のスタイルを貫いた直球勝負だったので、
今度も同様のアプローチだとすると、ちょっと無理筋じゃないかなあと心配していたのです。
なんせホルヘはもともと、バラーダやソウルなどのポップスを歌っていた歌手。
前回は真摯な歌いぶりで、クリオージョ音楽を丁寧に歌いこなしていましたけれど、
アフロペルーのようなコクの深い歌を歌うには、いささかハードルが高すぎ。
でも、その課題をなんなくクリアしましたね。
アフロペルーのレパートリーを、真正面からオーセンティックなスタイルで歌うのではなく、
ポップなプロダクションで、アフロペルーの要素を溶け込ませながら歌っています。
こういうやりかたなら、ポップス・シンガーとしての柔軟さも生きるし、
このアプローチは大正解ですね。
エレピやハモンド・オルガン、ホーン・セクションなどもフィーチャーして、
ソウルにファンク、ブルース、ティンバにボサ・ノーヴァなどの要素も加えた本作は、
ヒネリの利いたアレンジで聞かせた名曲“Toro Mata” など、
変化球もありの巧みな作りで楽しませてくれます。
また、アフロペルーばかりでなく、ウァイノをラストの曲でさらりと登場させたりと、
ペルー伝統音楽への愛情がアルバムの端々から溢れ出ていて、嬉しくなりました。
ノーバリマの女性歌手ミラグロス・ゲレーロや、
14年に52歳の若さで早世したアフロペルーの名歌手ペペ・バスケスもゲストで参加しています。
サブ・タイトルの「ペルビアン・ソウル」が示すとおり、
ホルヘの気概がそのソウルフルな歌いっぷりによく表れた快作です。
Jorge Pardo "AFRODELICO : PERUVIAN SOUL" Play Music & Video no number (2013)
2014-06-02 00:00
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