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エチオピアン・サウダージ カサ・テセマ

Kassa Tessema Mastawesha.jpg   Kassa Tessema Fano.jpg

おぉ、「エチオピーク」の新作はカサ・テセマですか。
エチオピアの竪琴、クラールを弾き語る名歌手カサ・テセマは、
長らくエチオ・サウンド盤を愛聴してきましたけど、
エチオピア国外ではほとんど知られていない人なので、
「エチオピーク」のラインナップに加われば、その名が広まりそうですね。

カサ・テセマのディープな歌くらい、エチオピア人の心を感じさせるものはありません。
クラールの弦をぽろんぽろんと弾きながら、深みのあるバリトン・ヴォイスで歌う
カサ・テセマの歌を聴いていると、エチオピアン・サウダージともいえる
エチオピア独特の哀歓が、じんわりと胸の奥底に沈殿していくのを感じます。
全編クラールの弾き語りという地味なアルバムなのに、
聴く者を惹きつけて放さないのは、静かなるソウルがたぎっているからですね。

カサ・テセマは、17歳でインペリアル・ボディガード・オーケストラに迎え入れられ、
73年に亡くなるまでずっと在籍し続けた人です。
朝鮮戦争で国連軍にエチオピア軍が加わった時に、
カサ・テセマも2度韓国へ従軍し、兵士に向けた望郷の歌で名声が高まりました。
ラヴ・ソングのように見せかけたプロテスト・ソングなど、
隠喩に富んだ詩の文学表現も、知識層に高く評価されました。
50~60年代にハイ・ソサエティのホーム・パーティなどで録音されたカサのテープが
海賊盤として出回り、ダビングにダビングを重ねて現在でも流通しているのだとか。

カサが正規に残したレコードは、72年と没後の76年に出たフィリップス盤LP2枚のみで、
EPはなぜか出てないんですね。
EPがなくてLPだけがあるというのは、エチオピアではかなり珍しいことで、
カサのファンが教養の高い富裕層だったことのあらわれなんじゃないでしょうか。

エチオピークから出た本作は、エチオ・サウンド盤とほぼ同内容といえるんですけれど、
うまいことに、72年作の11曲中未収録の3曲はエチオ・サウンド盤で聴け、
両方を持っていれば、ほぼ2作全部を聴けることになります。
カサの生没年について、エチオ・サウンド盤には
27年2月14日生まれ、74年10月11日没と書いてありましたが、
「エチオピーク」盤の記載の27年2月13日生まれ、73年10月11日没が正しいと思われます。
「エチオピーク」盤のスペシャル・サンクスには、
カサ・テセマ・ファミリーの記載もあるので間違いないでしょう。

エチオ・サウンド盤のライナーには、第二次大戦で韓国へ従軍と書いてあったりして、
変だなとは思っていたんですが、朝鮮戦争の間違いだったんですね。
在籍していた楽団もミリタリー・オーケストラと記載されていて、
間違いだらけだったことが、「エチオピーク」盤のライナーで判明したのでした。

Kassa Tessema "ÉTHIOPIQUES 29 : MASTAWESHA" Buda Musique 860257
Kassa Tessema "FANO" Ethio Sound no number
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