永遠のソウル・アルバム ジェイムズ・カー [北アメリカ]
あぁ、紙ジャケの誘惑に負けてしまいました。ジェイムズ・カーのゴールドワックス盤2枚。
英ケント盤CDで持っているのに、レコード会社の思うツボにまんまとハマってます。
でもねえ、不滅の名盤とはまさにこれを指す見本みたいなアルバムですからねえ。
O・V・ライトでサザン・ソウルの味を覚えた高校生当時、
ジェイムズ・カーのゴールドワックス盤は、夢のまた夢の、噂のみで知る「幻の名盤」でした。
そのヴェールがついに明かされたのが77年。ヴィヴィッドから日本盤が出たんですけど、
ほんと、カンゲキしましたよ。大学1年生だったなあ。
O・V・ライトとも、オーティス・レディングとも違う、熱い魂が噴き出すシャウト。
狂おしい感情を歌に叩きつけていく、その節回しにただただ感じ入り、
歌をドラマに変えてしまう表現力豊かな歌いぶりに、全身総毛だったもんです。
まさにソウルを歌うために生まれてきた、これぞソウル・シンガーという人でした。
60年代ソウルを追体験して聴いたぼくにとって、
ジェイムズ・カーのこの2枚は、77年の復刻を聴いたにもかかわらず、
リアルタイムの新作を聴いたような気分がしたのも、思い出深い理由のひとつ。
当時はよほどのマニア以外、初めて聴いたという人ばっかりで、
雑誌でも新作同然の盛り上がりでしたからね。
こういうディープ・ソウルの良さは、時代を超えます。
いつ聴いてもまったく古びないサウンドは、考えてみれば謎です。
だってこの録音、もう半世紀も昔のものですよ。
本物の音楽には、永遠の命が宿るという証明ですね。
ジェイムズ・カー 「ユー・ガット・マイ・マインド・メスド・アップ」 Pヴァイン PCD17680
ジェイムズ・カー 「ア・マン・ニーズ・ア・ウーマン」 Pヴァイン PCD17681
2014-10-04 00:00
コメント(2)
同年代全く同じ経験をしました。待ちに待ったジェイムズ カー。レコードに針を落とした途端に溢れ出る激情の歌声。一気にサザン ソウルの世界に引き込まれたのでした。当時クラスではクイーンを始めロックが人気、ソウルにのめり込む程に話が合わず浮いた存在になって行くのでした。
by Nyam nyam (2014-10-09 09:50)
うわぁ、Nyam nyamさんと高校時代におともだちになりたかった。
ほんと、あの当時、周囲に同好の士はいませんでしたよねえ。
ぼくの場合は、プログレ的な音楽を受け付けない嗜好も、
こういうソウルにやられたからだと思います。
(もっと幼い頃にセリア・クルースにやられていますけど)
ソウル嗜好とプログレ嗜好って、音楽美学的には相反するというか、
相容れないもののような気がしてなりません。
両方ともファンという人がいたら、ごめんなさいですけど、
いろいろな音楽を聴くほどに、どんなジャンルの音楽にもある、
ソウル趣味とプログレ趣味とで、音楽の好みが決定的に分かれるような気がします。
by bunboni (2014-10-09 12:54)