これぞアフロ・ソウル オーランド・ジュリウス [西アフリカ]
レア・グルーヴ趣味だかDJテイストだか知りませんが、メイド・イン・アフリカの
アフロ・ソウルやアフロ・ファンクのクズ盤がやたらと掘り返されるのを横目に、
「こんなモンをCD化するくらいなら……」とタメ息をつき続けて、かれこれ四半世紀以上。
アフリカ音楽には未CD化のお宝LPが、まだまだ山ほど眠っていることを知る身としては、
どうしたってグチりたくもなりますヨ。
アフリカ現地での権利獲得や丹念な取材を通して、誠実な復刻の仕事をしている、
サミー・ベン・レジェブのアナログ・アフリカのようなレーベルには敬意を表しますが、
それでも、それほどの情熱を傾ける対象が、なんでこんなB・C級ミュージシャンなの?
という疑問は、どうしても残ってしまうんですよね。
わざわざ悪口書くシュミはないので、そういったアフロ・ロック/ソウル方面のアルバムは、
ことごとく無視している当ブログでありますが、なかにはこの人はホンモノって人がいます。
その数少ないホンモノのアフロ・ソウル・マンとぼくが評価しているのが、
ナイジェリアのオーランド・ジュリウス。
オーランドの66年デビュー作は、アフロ・ソウルの金字塔といえる歴史的名盤で、
すでに何度もCDリイシューされていますね。
なんとそのオーランド・ジュリウスの新作がストラットからリリースされ、おぉ、と目をむいたら、
ザ・ヘリオセントリクスとのコラボで、これがビックリの相性の良さ。
ザ・ヘリオセントリクスといえば、ムラトゥ・アスタトゥケとのコラボで話題を呼びましたけど、
アルバムの出来としては、ムラトゥとは段違いの仕上がりとなっています。
ドラマーのマルコム・カットが叩き出す重心の低いビートが、いいんですよ。
腰をぐっと落としたこのグルーヴこそが、アフロ・ソウル/ファンクの神髄。
フェラのアフロビートに通ずる、ドス黒い強靭なリズム感が生きています。
オーランドの70年代の曲に加え、未発表曲や未完成に終わっていた曲のほか、
ヨルバの古謡、ジェイムズ・ブラウンの“In The Middle” のカヴァーを取り上げ、
オーランド・ジュリウスの現役復活を祝う最高のレパートリーとなっています。
オーランドのテナー・サックスもよく鳴っているし、
のんしゃらんとしたヴォーカルもいい味を出しています。
バリトン・サックスも含む分厚いホーン・セクションを擁したザ・ヘリオセントリクスの
バックアップも申し分ありません。
ガーナのエボ・テイラーに続き、アフリカン・レジェンドを復活させたストラット、
いい仕事してますね。
Orlando Julius with The Heliocentrics "JAIYEDE AFRO" Strut STRUT112CD (2014)
[10インチ] Orlando Julius & His Modern Aces "SUPER AFRO SOUL" Philipis PLP003 (1966)
2014-10-20 00:00
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