リアダンのリーダーのソロ・デビュー作 エレイン・コーミカン [ブリテン諸島]
アイルランドの女性6人組バンド、リアダンは、
07年にチーフタンズのツアーに同行して来日したことがありますね。
同じ年に京都音楽博覧会で再来日して、東京でも一夜だけライヴが行なわれたんですけど、
ぼくはどちらも観そこねてしまいました。
ホイッスル、フィドル×2、フルート、アイリッシュハープ、アコーディオンの編成で、
全員がヴォーカルもとるというグループは、
なかなか見目麗しかったんじゃないかと思ってるんですけど。
メンバー全員、リムリック大学の伝統音楽学科の修士号/博士号を取得した才媛なんだから、
アイリッシュ・トラッドのスーパー・グループともいえます。
そのリアダンのリーダー、エレイン・コーミカンのソロ・デビュー作が届きました。
悲哀を誘う1曲目から、その愁いのトーンにぐっと引き付けられました。
1曲目はエレインの得意とするホイッスルではなく、
メロディカを吹いているのが意外で、なおさら印象的に聞こえました。
今回ホイッスルの演奏はインスト曲1曲を除き控えめで、シンギングに集中しています。
といっても、歌に気負いはまったくなく、自然体の歌いぶりに聴き進むほど、
心がほぐれていくのを感じます。リルティングの柔らかさも絶品ですね。
最小限の伴奏が、エレインの静かな歌いぶりと効果的に響き合っていて、
アレンジとプロデュースの才を感じさせます。今作では、チェロの起用が成功しましたね。
全10曲中ゲール語が6曲、英語が3曲で、インストが1曲。
伝統に沿いながら、現代的なセンスに富んだ、
軽やかなエレインのシンギングの魅力にあふれたアルバムに仕上がりました。
アルバムの最後、海の波音とともにアルバムが締めくくられるのも、
とてもいい聴後感を残します。
Elaine Cormican "CLUAIN AMHRÁN : MEADOW OF SONG" Elaine Cormican EC001 (2014)
2014-11-01 00:00
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