SSブログ

神楽三昧 [日本]

古事記 神楽の世界.jpg

長年、全国民俗芸能大会の会場となっていた日本青年館が、
オリンピック開催に向けて取り壊しとなるため、今年が最後の大会となりました。
来年からは会場を移してやるそうです。

そういえば、同じ日本青年館で毎年夏にやる全国こども民俗芸能大会の方は、
今年なぜか突然平日の開催となってしまい、観に行くことができませんでした。
毎年楽しみにしてるのに、なんで平日にやるんだよ~(プンプン)。
観客のほとんどが、平日も休日も関係ない老人ぱかりだからなのか?

全国民俗芸能大会はどうなることやらと心配しましたが、
こちらは例年どおり、無事土曜日の開催と相成りました。
それにしてもあいかわらず観客の9割は、入場無料ゆえやって来る70歳超えの老人ばかり。
この公演で、音楽関係者の見知った顔と出会ったことがありません。
グローカル好きの若者よ、なぜ来ない?

今年は神楽三昧の構成で、鎌倉の鶴岡八幡宮御神楽、山形金山の稲沢番楽、
駒ヶ嶽神社の太々神楽、隠岐島前神楽というそれぞれ個性の異なる贅沢なラインナップ。
これを現地へ出向いて観に行こうなんて考えたら、途方もなく大変なことになるわけで、
まとめて東京で観れちゃうなんて、なんともありがたい限り。

なかでも、一番楽しみにしていた隠岐島前神楽(おきどうぜんかぐら)は、
期待にたがわず、ほんっと、すんばらしかったです。
笛の入らない太鼓と鉦のみの伴奏は、驚くほど洗練されたものでした。
辺境の地の神楽ということで、プリミティヴでトランシーという前評判もあったんですが、
ぜんぜん違いましたね。プリミティヴどころか、すごい洗練された神楽でしたよ。

リズム・パターンが豊かで、曲の途中で何度もスイッチするんですけど、
どういうタイミングでリズムが変わるのかさっぱりわからず、
昔、ナイジェリアのジュジュを初めて聴いた時にも似たオドロキがありました。
何か合図があるわけでもなく、演奏者同士目くばせするでもないのに、
すっとリズムが変わるカッコよさにノケぞりました。

能の影響だという速い三拍子系のリズムが出てきたり、
それが3連の四拍子にスイッチするんですけど、
日本のリズムって、こんなにカッコよかったんだっけか?
能に詳しい奥さん曰く、すごく洗練された舞だとカンゲキしてました。
チャントのようなかけ声もすごく面白くて、柔らかなグルーヴが絶品でした。

駒ヶ嶽神社の太々神楽の太鼓のリズムも面白かったなあ。
拍をジャストに叩くパートと、前のめりにつんのめるように叩くパート、
反対にもたって裏拍で叩くパートの3つを繰り返すパターンを延々繰り返し、
大きなウネリを生み出していくところが、聴きものでした。

日本各地の神楽には、まだまだ面白いリズムが眠っていそう。
ひさしぶりに63年の神楽の名盤『古事記 神楽の世界』を聴き直してみようかな。

美保神社の巫女神楽,佐太神社の七座の神事と神能,波宇志別神社の神楽,古戸の花祭,岳の神楽,秋田根子の番楽,伊勢大神楽
「古事記 神楽の世界」 日本コロムビア COCJ37172 (1963)
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。