バンドリンとギターの至芸 アミルトン・ジ・オランダ [ブラジル]
あけましておめでとうございます。
新年を迎えても、抱負や目標なんて持ったためしのない人間なので、
あいかわらずステキな音楽との出会いだけを待ち望む、
ミュージカホリックな一年を過ごすと思いますが、よろしくお付き合いください。
天才アミルトン・ジ・オランダのバンドリンを聴きたくなって、
ちゃんと聴かないままだったアルバムを試してみようと、
7弦ギタリストのヤマンドゥ・コスタとのデュオ・ライヴを取り出したら、
あれ、このアルバム、こんなに良かったっけかと、印象激変。
年の暮れから年明けと、すっかりヘヴィ・ローテーションとなっております。
アミルトンがギタリストとデュオをしたアルバムでは、
マルコ・ペレイラとの00年の共演作“LUZ DAS CORDAS” が一番好きだったんですけど、
ヤマンドゥと共演した本作は、あのアルバムとはまた別の良さがあります。
“LUZ DAS CORDAS” では、マルコ・ペレイラのエッジの立ったタッチが、
アミルトンのシャープなプレイと相乗効果をあげて、
キレッキレのサウンドを生み出していたのに対し、
ヤマンドゥとの共演では、二人の天才が心技体を最高度に錬成したプレイを聞かせます。
最初聞いた時に強い印象を残さなかったのも、マルコ・ペレイラとの共演盤のような、
若い才能をギラギラさせて、丁々発止のインタープレイをした派手なパフォーマンスとは、
ひと味もふた味も違っていたからですね。
ヤマンドゥとのパフォーマンスは、相手との間合いを詰めながら、
両者がインプロヴァイズするところに深みがある、いわば玄人好みな内容。
自分の持てる技を爆発させるのではなく、共同作業によって作品を完成させようとする、
演奏の集中力と緊張感が聴きどころとなっているんですね。
このライヴ盤もまた、アミルトンの傑作のひとつに数えられますねえ。
デジパック仕様のエルドラード盤は廃盤になってしまいましたが、
現在は簡素なペーパー・スリーヴ仕様のインディ作で再プレスされています。
また、アメリカでも本作はリリースされていて、
ステージで二人が観客の喝采を浴びているシーンらしき、
いい感じのショットがジャケットになっています。
う~ん、アメリカ盤も欲しくなっちゃうなあ。
Yamandu Costa & Hamilton De Holanda "LUZ DA AURORA" Estúdio Eldorado EN592022 (2009)
Marco Pereira & Hamilton De Holanda "LUZ DAS CORDAS" no label no number (2000)
2015-01-02 00:00
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