春を待ちわびて カーラ・ヌア [ブリテン諸島]
うわあ、いいグループですねえ。
アイルランド南東部のカーロー、ウォーターフォード、キルケニーを出身とする若者5人によって、
09年に結成されたというカーラ・ヌア。
今回の新作が3作目だそうですけれど、ぼくは初めて聴きました。
バンジョー、ギター、フィドル、アコーディオンの男4人に女性歌手という編成なんですが、
バンジョーが加わると、演奏の表情がぐっと明るくなって、いいですよねえ。
バンジョーを爪弾くコロコロとした音色が、粒立ちの良い響きを強調して、
ホップするリズムがますます勢いよく跳ねるかのようです。
伝統様式に沿った演奏でいながら、さまざまな音楽的な冒険がアレンジに施されていて、
演奏はなかなかにスリリング。ノヴァ・スコシアのフィドル・チューンなども取り上げたりしていて、
レパートリーには勉強熱心さもうかがえます。
みずみずしい演奏の合間に挟まれる女性歌手リサ・バトラーの歌が、また絶品なんです。
妖精のような歌いぶりに心惑わされ、さらりと回すこぶしにもグッときます。
無伴奏で始まる“Lady of Loughrea” の凛とした歌い口には、
こちらの背も伸びあがる思いがします。
犬の散歩がてら、近所の梅まつりへ出かけながら聴いていたら、
春の訪れを誘うかのような彼らの演奏に、思わず犬と一緒に駈け出してしまいました。
そういや、うちの犬の名前も「カーラ」なんですよね。奇遇であります。
Caladh Nua "HONEST TO GOODNESS" Caladh Nua C003 (2014)
2015-03-09 00:00
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