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ファム・フォン・タオのデビュー作 [東南アジア]

Phạm Phương Thảo  MỘT KHÚC TÂM TÌNH.jpg

うわー、いい雰囲気のジャケットだなあ。
農村のかわいい娘さんを演出したフォト。
へぇー、これ、ファム・フォン・タオのデビュー作なんだあ。
04年の作ということで、10年以上も前のアルバムが今頃見つかるのも珍しいですけれど、
ファム・フォン・タオのアルバムとなると、ちょっと手を伸ばしにくいですねえ。

というのも、ぼくはこの人の歌い方がすごく苦手なんですよ。
民歌(ザンカー)の若手女性歌手では、ヴェトナムでトップ・クラスの人気がある人ですけれど、
パワフルに歌いすぎるのが難。
語尾を強く伸ばす歌唱がトゥー・マッチで、力を抜くということを知らない人ですね。

民歌歌手には、こういうタイプがたまにいて、
ゴック・ハーなんかも、情感を蹴散らすような力入りすぎな歌唱を聞かせます。
なんでそこまで声を張り上げるかと呆れるほど歌い込むので、味わいなんてありゃしない。

というわけで、いくらジャケットがいいとはいえ、う~む、とためらったんですが、
買ってみたら、案外聞けました。
後年ほど強く歌いすぎることなく、けっこうさらりと歌っています。
それでも節回しは生硬で、もう少ししなやかに歌えないかなあという不満は残りますけど、
とりあえず、まだパワー全開でないデビュー作は、ぼくの許容範囲でありました。

聞くところによると、10作目を越えたあたりから、
ファム・フォン・タオも抑えた歌唱になってきているという話。
4作ほど聴いて、好みの歌手じゃないやと、お付き合いをやめてしまいましたが、
ちょうど新作の第12集が入ってきたところなので、再挑戦してみようと思います。

Phạm Phương Thảo "MỘT KHÚC TÂM TÌNH" Thăng Long no number (2004)
コメント(3) 

コメント 3

イワタニ

ザンカーの歌い手さんは、彼女のように力が入った歌い手さんが多いように思えるのですが、こういう歌い方が基本のようなものなのでしょうか? 作り手側の意図としか思えないのですが。ザンカーとは高貴な人達の集まりのような所で唄われているものなのでしょうか?それとも日本の民謡のように伝統みたいなところからこんな歌い方をしているのでしょうか?それとも芝居のようなものと同居しているためでしょうか? ヴェトナム 民歌というイメージからですけど、もっと低俗性な感じの人がいてもいいのになあと思うのですが。
ちなみにザンカーの男性歌手はいるのですか?女性よりもっと聴けませんね。たぶん・・・?
by イワタニ (2015-04-29 00:20) 

bunboni

ザンカー歌手のほとんどが音楽学校出だといったら、意外でしょうか。
ヴェトナムは社会主義国なので、欧米のような自由主義国圏とポピュラー音楽事情は違います。声楽をみっちりしこまれた人が民謡を歌っているわけで、そこがイワタニさんが違和感を感じておられる部分かもしれませんね。
逆に、アメリカの越境歌手もしくは越境帰りの歌手たち、ハ・ヴィやニュ・クイン、フィ・ニュンなどに、ひそやかな歌い口を持っている歌手が目立つのも、関係あるかもしれません。
by bunboni (2015-04-29 17:46) 

イワタニ

ありがとうございました。
大変わかりやすい説明で、頭の悪い私でも納得です。
彼女達の音楽が、私の耳にも少しは入りやすくなった気がします。
もう一度聴き直しです。
ありがとうございました。
by イワタニ (2015-04-29 18:13) 

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