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バオバブの並木道でキララキ バリンジャカ [インド洋]

Barinjaka.jpg

マダガスカル南部のダンス・ポップで、キララキというスタイルが流行しているということは、
何かの記事で読んだような、おぼろげな記憶はあったものの、
代表する歌手やバンド名もわからなければ、
ぼくもそれ以上、YouTube などで探したりもしなかったので、
すっかりキララキという名前自体を忘れていました。

つい最近深澤先生のブログで、ツィリバという男性シンガーが
キララキのトップ・スターだということを知り、がぜんキララキに興味がわいたんですが、
VCDはあるものの、CDが見つかりません。
現在のマダガスカルのメディアの主流はVCDなので、
人気歌手でもCDがなく、VCDとDVDしかないということも珍しくないんですよ。
なんだか、インドネシアやミャンマーあたりの事情と似ていますね。

結局ツィリバはベスト盤しか見つからず、ベスト盤を敬遠するワタクシとしては、
他にキララキのシンガーを探して見つけたのが、バリンジャカという若手シンガー。
ヤスっぽいジャケット・デザインが、もろにローカル仕様ではありますが、
主役のバリンジャカくん、まだ十代にも見えるルックスで、ティーン・アイドルといった雰囲気。
マラガシ・ガールから、キャーキャーいわれてるんじゃないですかね。

さー、どんなサウンドが出てくるのかと、CDをトレイにセットすると、
急速調のダンス・ナンバーが飛び出し、あ然。うひゃー、こりゃ痛快ですねえ!
身体が痙攣するかのようなこのビート感、シャンガーン・エレクトロに通じるところもありますよ。
前のめりに突っ走るリズム感の気持ちよさったら、ないですねえ。

ベースがヴォーカルとユニゾンでメロディを弾いたり、奔放なラインを生み出すあたりは、
ジンバブウェのスングラをホーフツとさせます。
カボシをカッティングする軽やかなリズムが、風のように吹き抜け、
曲によって使い分けられたアコーディオン、オルガン、シンセの鍵盤楽器が、
サウンドを豊かに染め上げていきます。
バリンジャカくんのヴォーカルには、うっすらとオートチューンもかけ、
コミカルな味も出しつつ、キュートな魅力をアピールしていますよ。

プロダクションはローカルそのもののチープさなのに、
それが音楽をまったく損なってないという、このすばらしさ。
むしろ立派なスタジオで高価な機材を使ったら、
このサウンドの味は出せないだろうなあと思わせるところが、痛快です。

このキララキを生んだのは、チュレアールに次ぐマダガスカル西部第2の港町のムルンダヴァ。
メナベ地域圏の州都であるムルンダヴァは、マダガスカルの代表的な風景として有名な、
バオバブの並木道で知られるところですね。

あの風景の下では、こんな音楽が奏でられてるのかあ。
人々が中腰で連なりながら、腰を振ってダンスする様子が、ヴィデオでも観れますけど、
ああ、現地でキララキを体験してみたいですねえ。

Barinjaka "BEVOHOKA TSY MANAMBADY" no label no number (2013)
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