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ナイト・キャップ・アルバム ジョイス・イレーヌ・ユール [北アメリカ]

Joyce Elaine Yuille  WELCOME TO MY WORLD.jpg

ここのところ、おやすみ前の1枚として重宝しているアルバムです。
CDショップの試聴機で見つけた、ジャズ・ヴォーカリストの新人さん。
温かみのある、中低音域が豊かな声質と、
イヤミのない素直な唱法に、耳が反応しました。

ニューヨークはイースト・ハーレム(おぉ、エル・バリオ!)出身の女性だそうですが、
ジャズ・ヴォーカリストというわりには、ソウルのフレイヴァーが強く、
ソウル・シンガーにしては、ずいぶんとジャズぽいタイプの歌い手さんですね。
たとえて言うなら、ロバータ・フラックみたいなタイプかな。
マーヴィン・ゲイやダニー・ハサウェイの曲をカヴァーしているんですが、
そのダニー・ハサウェイの“Tryin' Times” は、ロバータ・フラックも歌ってましたもんねえ。
フリー・ソウルという括りがぴったりくる人です。

バックのサウンドもなんだかセヴンティーズぽく、レア・グルーヴ気分が充満してます。
フィンランドのテナー・サックス奏者、ティモ・ラッシー率いる
フィンランド/イタリア混成チームのバンド・メンバーは、
尖ったところのない中庸サウンドを繰り出し、その手触りはスムース&クールそのもの。
豪快なブロウも、洗練されたサウンドに絡めとられ、歌伴の領域をはみ出すことはありません。

それが、ジョイスの魅力を十分に引き出していて、
静かに始まるオープニングから、次第にじわじわと熱を帯び、
ニーナ・シモンやサラ・ヴォーンを思わせるソウルフルな歌声に、
ぐいぐいと惹きつけられてしまいます。

最初、試聴機でつまみ聴きした時には、アーバン・テイストのソフトなサウンドが、
洒落てていいじゃないぐらいだったのが、聴けば聴くほどに味わいが増してくるんですよね。
ブルースやゴスペルの素養がほどよくブレンドされ、
ごく自然に滲み出ているところに、才能の高さを感じさせるデビュー作です。

Joyce Elaine Yuille "WELCOME TO MY WORLD" Schema SCCD473 (2015)
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