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フランス領ギアナのクレオール・ポップ ルッシ [南アメリカ]

L’Si  RÉALITÉ DE LA VIE.jpg

どっかーーーーん。
ド迫力な黒人女性マスクに、たじたじ。
その昔アフロ・ブラジリアン宗教音楽/サンバ女性歌手アパレシーダのシッド盤LPを
手にした時のことを思い出しました。

Aparecida  Foram 17 Anos.jpgドロドロのマクンバかヴードゥーでも出てきそうな
表紙にビビっていたら、
ヴィデオ・クリップでは、
ニコニコと愛嬌たっぷりに歌っていて、
シロウトに毛が生えた素朴な歌い口は、
なかなか愛らしいところもあります。
ケースを開けてCDを取り出すと、トレイの下には、
にこやかなルッシが写っていて、
おっかない熊みたいなブッちょずら(失礼)の表紙は、
インパクト狙いなんでしょうか。意味不明ですね。

さて、ひと安心して聴いてみれば、シャープな高音を響かせる太鼓のタンブーに、
アコーディオンが絡むビギンふうの1曲目から、いい感じです。
こりゃ、マルチニーク/グアドループ音楽ファンにはたまらんでしょう。
と思いきや、ルッシは、フランス領ギアナの女性シンガーなんですって。

ビギンふうと思った1曲目のリズムは、
ライナーには「カセ・コ・コイ・カセ」と書かれていて、カセーコなんですね。
カセーコは、ギュイヤンヌ(フランス領ギアナ)の代表的なクレオール・リズムです。
もう1曲クラリネットをフィーチャーしたカセーコも、
ユジェーヌ・モナの田舎のビギンふうで、
マルチニークに繋がるクレオール・ミュージックであることがはっきりとわかります。

ほかにマズルカなども歌っていますが、
ズーク・ラヴやコンパ・ラヴのほか、バチャータも1曲歌っていて、
表紙からはとても想像つかない、ポップなアルバムに仕上がっているんでした。
そういえばアパレシーダだって、中身はけっこうポップで、意外に思ったんだっけ。

全曲ルッシことマチュー・テオドール・エルシの作詞作曲となっていますが、
5曲目は、まごうことなきカーペンターズの「トップ・オヴ・ザ・ワールド」。
うわはは、これを自作曲とクレジットしちゃうの、すごいな。

L’Si "RÉALITÉ DE LA VIE" Debs Music no number (2015)
[LP] Aparecida "FORAM 17 ANOS" Cid 8015 (1976)
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