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ライカのアマチュアリズム マノリス・リダキス [東ヨーロッパ]

Manolis Lidakis  AFTOS POU ANIGI TO HORO.jpg   Manolis Lidakis  KARAVI APOPSE TO FILI.jpg

ヨルゴス・ダラーラスの新作同様、去年の暮れに出たマノリス・リダキスの新作も大当たり。
う~ん、ひさしぶりにギリシャ歌謡の波が、来てるかも。
ダラーラスに次いでぼくの好きな男性歌手が、マノリス・リダキスなのです。

マノリスもレンベーティカのルーツを受け継いだライカを歌う人で、
ぼくが最初にこの人にホレ込んだのは、92年作の“KARAVI APOPSE TO FILI”。
「無頼」や「闇」といった部分ばかりでないレンベーティカの甘美な側面を、
ノスタルジックな響きの中に表わした大傑作でした。

男っぽいダラーラスとは違い、草食系優男ふうのマノリスは、
クレタ島出身で、82年にアルバム・デビュー。
ぼくが初めて聴いた92年作当時、すでに中堅どころとなっていて、
色男ふうのモテそうなルックスをしてたんですけれど、
最近の写真を見ると、すっかり中年太りのオヤジ面になってしまいました。
メロウな哀愁味を持ち味としていて、歌唱力より味で聞かせる、
カエターノ・ヴェローゾに似たタイプの歌手といえます。

新作は、ライカの名作曲家フリストス・ニコロポウロスの作品を歌ったアルバム。
ブズーキ、バグラマー、ピアノ、アコーディオンという完全アクースティックの編成で、
余計な装飾など何一つない、生粋のギリシャ歌謡たるライカを聞かせてくれます。
時代の流行に左右されず、ポップスにも色目を使わない、
頑固一徹なまでに真正ライカを貫くマノリスらしく、
今作も朴訥とした変わらない歌い口で、嬉しくなります。

ヴェテランになっても、歌がうまくならないのが、この人のいいところ。
良い意味でアマチュアぽさを残しているところに、
みずみずしさを失わない秘訣があるんじゃないかな。
そんなところも、いつまでたっても歌がへたっぴーなカエターノとそっくりですよね。

Manolis Lidakis "AFTOS POU ANIGI TO HORO" To Rima A003 (2015)
Manolis Lidakis "KARAVI APOPSE TO FILI" Portrait 471638-2 (1992)
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