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冬の慕情 ハー・ヴァン [東南アジア]

Hà Vân  MẸ LÀ CÁNH CÒ YÊU THƯƠNG.jpg

ひさしぶりにヴェトナムの伝統色溢れる、民歌(ザンカー)集と出会えました。
ちょうど一年前にも、南ヴェトナム懐メロ集で楽しませてくれたハー・ヴァンのアルバムです。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2015-12-14
とてつもなく歌のうまい人なんですが、実にさりげなく歌う人で、
けっしてその技巧をあからさまにオモテに出さないところは、
タン・ニャンとは真逆の個性といえますね。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2016-08-28

まずタイトル曲となっているアルバム冒頭の1曲目で、早くもやられちゃいました。
ギターとヴァイオリンだけの伴奏で歌うとは、ザンカーでは珍しい趣向です。
しっとりと歌うハー・ヴァンの慕情のこもった歌声に、胸が熱くなりましたよ。
身体の芯まで温めてくれるこの歌声は、寒い冬の季節にまたとありませんねえ。

2曲目以降は、コンテンポラリー・サウンドにダン・チャン(筝)や
ダン・バウ(一弦琴)の響きを添えたお馴染みのザンカーのプロダクションで、
ハー・ヴァンの美しいヴィブラートと鮮やかなこぶし使いを引き立てています。

また、レパートリーもいいんだな。
ハ・ヴィの11年の大傑作“MẸ LÀ TÌNH YÊU” で歌われていた“Đôi Ngả Chia Ly” に、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2011-11-01
レー・クエンが“KHÚC TÌNH XƯA 2 : TRẢ LẠI THỠI CIAN” で歌った“Ai Khổ Vì Ai” も
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2012-08-21
カヴァーしていますよ。

このCDはアメリカのV・ミュージックから出たもので、
以前紹介したルー・アイン・ロアンと同じレーベルですね。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2016-02-24
ヴェトナムではリリースされている形跡がなく、
越僑コミュニティ向けに制作されたものなんでしょうか。
ソフトケースという安っぽいパッケージは、まるでカンボジア製かミャンマー製みたいで、
海賊盤なのかと疑ってしまいます。

実は中身の方でも気になる点があって、曲間にかすかなプチ・ノイズが入るところや、
8曲目と13曲目でフェイド・アウトを待たずにブツッと終わるところは明らかな編集ミスで、
あちこちのアルバムから取ってきた海賊盤くさいんですが、
ハー・ヴァンの歌やバックのプロダクションには統一感があり、編集盤のようには聞こえません。

どうも出所不明の怪しさが釈然としないCDなんですが、内容はとびっきり。保証します。

Hà Vân "MẸ LÀ CÁNH CÒ YÊU THƯƠNG" V Music no number
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