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アフリカン・ファンファーレ エヨンレ・ブラス・バンド [西アフリカ]

Eyo'nlé Brass Band  Empreinte Du Père.jpg

ベニンにはブラス・バンドの伝統が残っているんでしょうか。
ガンベ・ブラス・バンドに続く新しいブラス・バンドの存在を知りました。
5管を擁する8人編成のバンドで、メンバーの5人がアワンジヌという同じ姓なので、
ファミリー・バンドなのかもしれません。

「エヨンレ」というのは、「喜ぼう」という意味のヨルバ語だそうですけど、
吹奏楽で演奏される賛美歌に“Let Us Rejoice” という曲があるので、
そこから取った名前なんじゃないでしょうか。

冒頭からヴードゥーのベルが叩かれて、おおっと引き込まれます。
ガンベ・ブラス・バンドの新作でも、ヴードゥーの伝統リズムが生かされていましたけれど、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2015-07-13
エヨンレ・ブラス・バンドもヴードゥーをバックグラウンドとしているようです。
ヨルバのトーキング・ドラムが使われているところも、個人的には嬉しいところ。

伝統的なコーラスなど、随所でアフリカのブラス・バンドらしいサウンドが楽しめ、
フェラ・クティの“Water No Get Enemy” をカヴァーしているのも、
アフリカン・ポップス・ファンには嬉しい選曲なんですが、
そんななかで、ブラッサンスやゲーンズブールの曲をカヴァーしているのが変わり種。

ラストでは、フランスのミクスチャー・バンド、
レ・オグル(ゾグル)・ド・バルバックの曲をカヴァーしていて、
本作もバルバックのレーベルからリリースされているとおり、両者の関係は深いようです。
じっさい、14年のバルバック結成20周年ツアーに同行したり、
フランスの音楽祭で人気を集めてるようで、
本作もかなりフランスのリスナーを意識したアルバムとなっているんですね。

“African Brass Music” では、
タイトルとは裏腹に、きれいなクイーンズ・イングリッシュで歌う
西洋風ブラス・バンドの演奏になっていて、
ヴードゥーから洗練されたブラス・サウンドまで、
かなり振り幅の大きい音楽性を持っていることがわかります。

すっかり感心して、ミュージック・マガジン編集部に、
本作を取り上げた輸入盤紹介の原稿を送ったところ、
本作の前にもう1枚アルバムがリリースされていることが判明。
原稿の最後を「ヨソ行きでない演奏も聴いてみたい」と結んだばかりなので、
こりゃ早速聴かねばと、オーダーしました。

Eyo'nlé Brass Band  Africa Night.jpg

届いた11年作は、まさしくヨソ行きでない、
本国ベニンで演奏している普段着姿の演奏ぶりが楽しめます。
腹にずんずんくる大太鼓のビートに、
厚みのあるブラス・サウンドがキモチいいったらありません。

冒頭からベル・パターンのカン高い響きが鳴り渡り、
ヴードゥーをルーツとするのだろうと思われる、
ベニンの多様な伝統リズムが生かされています。
ブラス抜きでベルほかの打楽器のみで、コーラスがコール・アンド・レスポンスしたり、
アフリカ色濃厚なサウンドで、シャンソンなどフランス人向けの選曲もなく、
ぼくはこの11年作の方が好みかな。

Eyo'nlé Brass Band "EMPREINTE DU PÈRE" Irfan Le Label EYO002 (2015)
Eyo'nle Brass Band "AFRICA NIGHT" Irfan Le Label EYO001 (2011)
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