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ヒップ・ホップ・ジャズ・ファンク・フロム・ダラス RC&ザ・グリッツ [北アメリカ]

RC & The Gritz  THE FEEL.jpg

ネオ・ソウルで思い出したんですが、
エリカ・バドゥのプロデューサー、RC・ウィリアムズ率いる
ヒップ・ホップ・ジャズ・ファンク・バンド、RC&ザ・グリッツの新作、
すでにヘヴィ・ロテ4か月目突入です。

2月に来日して、その公演が終った後で、このアルバムを聴いたという、
自分の間の悪さが情けないんですが、観たかったなあ、え~ん。
デビュー作にノレなかったもので、新作が出てもやり過ごした自分がバカでした。
だって、デビュー作はこんなにジャジーじゃなかったもんなあ。

セカンドは、ネオ・ソウルの美味なところがふんだんにまぶされ、
レイヤーしたシンセにホーンズの絡むサウンドが極上リッチで、トロけます。
ベース代わりにモーグを使って、チューバがベース・ラインを吹くようなサウンドを出す
“Jazz And Reverse” なんて、すごく新鮮なアイディア。

そしてまた、しなやかなグルーヴといったら。
変拍子好きをうならせる7拍子のタイトル曲にもやられましたけれど、
粘っこいミッド・スローの“Feathers” にはトリコになりました。

なんて心地いいグルーヴなんだろうと思いながら、何度も聴くうちに、
ハイハットがものすごく奇妙なリズムを刻んでいることに気づきました。
これって、ハズれてるよね……。正確にハズしてるっていうと、
オカシな表現だけど、わざと遅らせたリズムでハイハットを踏んでいます。
しかも、時々拍を抜いたりして、揺らいだリズムを作っているんですね。

誰だ、このドラマー、とクレジットを見たら、なんと、クリス・デイヴ!
うわー、さすがだわー。この強烈にもたったリズムは、確かに彼の真骨頂。
どうやったら、こんなにハズしたリズムを叩けるんですかねえ。
ジャストのリズムとずれたリズムを同時に叩くなんて、人間業とは思えん。
レギュラー・ドラマーのクリオン・エドワーズのほか、クリス・デイヴ、
ジャミル・バイロン、マイク・ミッチェル、タロン・ロケット、ロバート・シーライトと、
新世代ジャズをリードするドラマーが勢揃いしているところも、聴きものですねえ。

ヴォーカルのクラウディア・メルトンは、
CTI時代のパティ・オースティンを思わせるし、
80年代にフュージョンを聴いていた人なら、懐かしいはずの
バーナード・ライトなんて人も参加しています。
81年にGRPからデビューした、天才少年キーボーディストですね。
思えばザ・グリッツのサウンドって、80年前後のフュージョンのテイストだよねえ。
その一方で、ジャジー・ヒップ・ホップなところもあれば、
新世代ジャズのビート感も兼ね備えているんだから、鉄壁ですよ。

こんなに夢中になったヒップ・ホップ・ジャズ・ファンク・アルバムは、
おととし出会ったエンパイア・オヴ・サウンド以来であります。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2015-11-06

RC & The Gritz "THE FEEL" Ropeadope no number (2016)
コメント(2) 

コメント 2

ペイ爺

豪奢。

このアルバムを聴き終わった率直な感想です。

“The Feel ”。女性ヴォーカルのなんと艶っぽいことか!

>チューバがベース・ラインを吹くようなサウンドを出す
行進して演奏する New Orleans のマーチング・バンド 、Dixieland Jazz ではチューバ奏者が演奏するスーザフォンが、低音パートのベースの役割だったそうですね~。
バンジョーはピアノの代わりだとか。
>粘っこいミッド・スローの “Feathers”
ブルージーで、ちょっぴりレトロでチープなシンセもサイコー♪

今年のベスト・アルバム入閣決定かな?まだ早いか。



by ペイ爺 (2017-06-15 22:57) 

bunboni

ヒップホップとネオ・ソウルとジャズが均等にブレンドされていて、80年前後のフュージョンのテイストを持ったサウンドが、とてもイマっぽく響くところ、支持したいですねえ。
まさに、豪奢です。
by bunboni (2017-06-16 20:13) 

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