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アフリカと欧米の相互作用 ムサフィリ・ザウォーセ [東アフリカ]

Msafiri Zawose  Uhamiaji.jpg

ウィキペディアによれば、故フクウェ・ザウォーセの5番目の子供という、
82年生まれのムサフィリ・ザウォーセ。
90年12月にバガモヨのフクウェ・ザウォーセのお宅にうかがった時、
家にいっぱい子供たちがいたけど、あの中にムサフィリもいたんだろうか。
12月31日生まれというから、ちょうど8歳になる手前だったはず。

あんまり子供が多いので、「この子たちみんな、あなたの子供なの?」と聞いたら、
「そうだ」と答えるので、絶倫男かよと思ったもんですけど、
5番目の子供というのは、これいかに。
あの時の人数から考えれば、十何人目の子供のはずなんだけどなあ。

それはさておき、ムサフィリ・ザウォーセは、
ザウォーセ・ファミリーの中でも若手のせいか、リアル・ワールド盤や
ザウォーセ・ファイヴのフィンランド盤には参加していません。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2009-06-04
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2012-04-27

ザウォーセ・ファミリーからチビテにグループ名を変えてから、
ムサフィリもメンバーの一員となり、08年に日本にも来ているんですね。
なんとその時、ぼくはムサフィリと会っているはずなんですけれど、
8人もメンバーがいたので、どの人が誰やら、記憶に残っていません。

というわけで、はじめて聴くムサフィリ・ザウォーセのソロ・アルバム。
デジタル・リリースでは、何作か出しているようですけれど、
フィジカルはこれが初のはず。サウンドウェイからのリリースで、
サム・ジョーンズというイギリス人(?)とコラボした作品になっています。

見開きジャケット内のライナーに、
かつてフクウェ・ザウォーセとマイケル・ブルックスがコラボした“ASSEMBLEY” に
触発されたようなことが書いてあって、おいおい大丈夫かよと心配しましたが、
あんな史上最低最悪の作品とは比べ物にならない、
アフリカ人と欧米人互いの理解が進んだ作品に仕上がっています。

サム・ジョーンズは、アレンジ、シンセ、ローズ、ドラム・プログラミングを
担当していますが、ゴゴのリズムをよく理解したプログラミングを施していて、
ゴゴのグルーヴを強化しています。
ホーンズの起用や鍵盤の扱いも、サウンドを装飾するのにとどまらず、
ムサフィリが弾くイリンバやゼゼとがっちり組み合ってサウンドをレイヤーし、
より肉感的に仕上げることに成功しています。

アフリカ人と欧米人の共演は、こうであってほしいですよねえ。
互いの音楽性を理解しあい、しっかりと組み合うことで、
化学反応を起こすコラボにしなきゃ、共演の意味がありません。
フクウェ・ザウォーセとブルックの共演なんて、
ザウォーセはブルックの音楽に何の関心もないし、
ブルックはザウォーセの音楽をサンプリングのネタ扱いして、
好き勝手にイジリ倒すだけという、およそ共演などとは呼べないシロモノでした。

欧米側の先鋭的な音づくりでハッタリかましたり、
コンテンポラリーな味付けでサウンドを装飾するだけじゃダメ。
アフリカ側も積極的にプログラミングに関与して、
ハイブリッドな相互作用が起こらなければ、コラボは成功しません。
それをきちんと実現しているのが、本作です。

Msafiri Zawose "UHAMIAJI" Soundway SNDWCD122 (2017)
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