八面六臂の活躍 ガブリエル・グロッシ [ブラジル]
ブラジルのジャズ・ハーモニカ奏者、ガブリエル・グロッシの活躍がめざましいですね。
クロマチック・ハーモニカのプレーヤーでガブリエルが世界ナンバー・ワンなのは、
ぼくの欲目なんかじゃなく、衆目の一致するところになったんじゃないかな。
https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2014-11-05
先日も、グロッシのハーモニカとトロンボーンをフロントに、
ピアノ、ベース、ドラムスによるキンテート編成のライヴが出たばかり。
そのライヴでは、大ヴェテランのトロンボーン奏者ラウル・ジ・ソウザに、
ガブリエルの大先輩であるハーモニカ奏者のマウリシオ・エイニョルンのほか、
エルメート・パスコアールがゲスト参加していたのに、驚かされました。
ガブリエルはエルメート・パスコアール関係のミュージシャンとの共演も多く、
ドラマーのパウロ・アルメイダ、ピアニストのグスターヴォ・ボンボナート、
サックス奏者ジョタ・ペなど、
エルメート・グループで活躍するミュージシャンのアルバムに、
必ずといっていいほど顔を出していますけれど、よもやエルメート御大みずから、
ガブリエルのライヴに登場するとは予期しませんでした。
それにしてもここ最近、にわかにエルメート・パスコアールづいているのは、
妙な気分だなあ。なんせ、エルメート・パスコアールといえば、
キューバのチューチョ・バルデースと並んで、
ぼくが受け付けられない二大音楽家なもんで。
このライヴではエルメートはメロディカを吹いていて、
そのプレイはどうってことないですけど、
ヴォーカル・パフォーマンスで観客を沸かせるギミックに、
きったねー声で相変わらずこんなことしてんのかと、シラけました。
そんなこともあって、ライブ盤を取り上げないままでいたら、
南部ヴィトーリア出身のピアニスト、ペドロ・ジ・アルカンタラのアルバムに
フィーチャリングでガブリエルが客演したアルバムが極上で、
ここのところの愛聴盤となっています。
オープニングとラストがバイオーン、ほかにサンバのリズムも使ったトラックもあり、
ブラジルの現代的ジャズの力作の合間に、
こういうリラックスしたジャズ作品を聴くのも、いいものです。
Gabriel Grossi Quinteto "#EM MOVIMENTO - AO VIVO" Maximamo no number (2018)
Pedro De Alcântara convida Gabriel Grossi "SACI" Piano Produções Musicais no number (2018)
2018-09-17 00:00
コメント(2)
エルメートはおもしろくないけれど、エルメートの人脈にはおもしろい音楽家がいるっていことでしょうか?
そういえば何年か前のショーロ・アルバムの、え〜と、なんだっけ、『フラクタル』の人、これもエルメートの流れがありました。
(ぼくもマイルズとやっているのが初体験だった以来、ちょっと…)
by 戸嶋 久 (2018-09-17 09:12)
エルメートって、アイディアは天才的だけど、そのアイディアを音楽に膨らませる力が欠けてるんじゃないですかね。そのスキルは、弟子たちの方がはるかに上っていうのが、ぼくの見方です。
あと、エルメートって、実験的な部分ばかり目を奪われがちですけど、コンポーザーとしての能力は抜群です。すごく正統的なショーロ・ナンバーを書いたりしていますよ。
by bunboni (2018-09-17 10:06)