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アンゴラ内戦時代のサヴァイヴァー ロベルチーニョ [南部アフリカ]

Robertinho  YOSSO IXALA.jpg

アンゴラ独立後のクーデター事件によって粛清の犠牲となった、
ダヴィッド・ゼー、アルトゥール・ヌネス、ウルバーノ・デ・カストロの後進歌手として、
80年代の内戦の時代に活動していたロベルチーニョ。

その後、ソ連崩壊による冷戦終結によって、
アンゴラで敵対し合っていた二大勢力が包括和平協定に調印し、
91年にアンゴラに束の間の平和が訪れ、
ようやくロベルチーニョはソロ・デビューLP“JOANA” を出します。
さらに93年にはセカンドLP“SAMBA SAMBA” を出すも、
資源戦争へと様相を変えた戦闘がまたも勃発、
歌手活動を停止せざるを得なくなったといいます。

16年になって、23年ぶりにリリースされた3作目は、
90年に出した2作のレパートリーを再演したアルバムとなっています。
念願の復帰に奮い立ったのか、ヴェテランの歌声というよりは、
ハイ・トーン・ヴォイスのハツラツとした歌いっぷりが印象的で、
90年代のLPを聴いたことはありませんが、
それを凌ぐ出来になったんじゃないですかね。

Angola 80  1978-1990.jpg

ロベルチーニョは78年に初シングルを出していて、
自身最大のヒット曲となった88年の‘Sanguito’(ファンク・センバ!)は、
ブダの名編集盤“ANGOLA 80’S 1978-1990” でも聴くことができますけれど、
この時と歌声がぜんぜん変わっていません。

R&Bやヒップ・ホップを通過した、新世代のキレのいいセンバとは違う
朴訥とした味わいこそ、内戦時代のサヴァイヴァーならではでしょう。
洗練ばかりが美点じゃないよ、と教えられるかのよう。

これで順調に現役復帰かと思いきや、なんとその後逮捕され、現在係争中。
なんでも新作をひっさげて、17年にブラジルへツアーをして帰国したところ、
ブラジルの空港で見知らぬ人物から預かった2つのスーツケースから
コカイン9キロが発見され、昨年5月に逮捕されてしまったんだとか。
本人は関与を否定していますが、9月に起訴され、
その後の報道がありません。どうなったんだろう。

Robertinho "YOSSO IXALA" Xikote Produções no number (2016)
V.A. "ANGOLA 80’S 1978-1990" Buda Musique 82994-2
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