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コモロの汎インド洋ポップス サリム・アリ・アミール [インド洋]

Salim Ali Amir  SHIYENGO.jpg

70年代ターラブ懐メロ集を制作した、
サリム・アリ・アミールのソロ・アルバムも入手できました。

62年生まれのサリム・アリ・アミールは、
コーラン学校にいた7歳の頃からカシーダを結婚式で歌い始め、
首都モロニのさまざまなイスラームの祭儀で引っ張りだことなり、
ラジオ・コモロで毎朝サリムの歌声が流れる国民的歌手となった人です。
83年にフランスの音楽賞を受賞してヨーロッパ・ツアーを行い、
コモロ出身の歌手として大成功を収めると、
89年からはモロニのスタジオ1でアレンジャーとして働き始め、
若い音楽家たちをサポートして、プロデューサーとしての活動をするようになります。

70年代ターラブ懐メロ集は、そうして生まれたアルバムだったようですけれど、
02年に出した本作は、数多くのミュージシャンが参加して、
サリムの幅広い音楽性を発揮した汎インド洋ポップスに仕上がっています。

オールド・スクールなアラブ歌謡調のターラブ‘Jellounah’ もあれば、
マダガスカルのサレギのリズムにのせた‘Mdwa Mbe’ では、
箱琴ンゼンゼを弾き歌う伝統音楽家のスビをフィーチャーするなど、
曲ごとに趣向を凝らしたヴァラエティ豊かな内容となっています。

ジョージ・ベンソンやロクア・カンザからの影響を公言するとおり、
ジャジーなセンスやメロウなソングライティングを随所に発揮したポップ・センスは、
ローカル・レヴェルのプロダクションをカヴァーして、あまりありますね。
インド洋由来のハチロクのグルーヴを活かしたリズム・アレンジも多彩で、
男性コーラスと女性コーラスの使い分けなど、細部にわたって
丁寧に作り込まれたプロダクションに職人技が光り、聴きどころがいっぱいです。

すっかり感心して愛聴していたところ、
昨年リリースされたばかりの新作の存在を知り、早速オーダーしました。
届くのが楽しみです。

Salim Ali Amir "SHIYENGO" Studio 1 no number (2002)
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