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ジャズ・アゲインスト・メンタル・イルネス ダン・ローゼンブーム

Dan Rosenboom  ABSURD IN THE ANTHROPOCENE.jpg

こういう音楽を待っていた!

日々感染者数をカウントして自粛を強要する、
全体主義のニュース報道に心を病まないためにも、
「轟音」「混沌」「抽象」「熱狂」「歓喜」
「実験性」「創造性」が満ち溢れる音楽を、ココロも身体も欲していたんですよ。

そういえば、こんな気分に陥ったことが、前にもありましたね。
9年前の原発事故で巻き起こった放射能パニックです。
あの時、自分のメンタルを落ち着かせるのに役立ったのが、川崎燎のライヴでした。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2011-05-29

コロナ欝をブッとばすのに、絶好のジャズ・アルバムが、
ロス・アンジェルスで活躍するトランペット奏者ダン・ローゼンブームの新作。
このアルバムの聴きどころは、フリー・ジャズのエネルギーと、
不協和と調和の間を行き来する楽曲の構成が、絶妙なバランスを保っているところです。

混沌とした音塊の中にもマイルドな音色が響き、
複雑なテーマにも抒情性が帯びているのが伝わってきます。
世界を揺るがす大災厄を立ち向かうには、
こういうケタ外れの冒険的なサウンドの熱量が必要です。

ダン・ローゼンブームの空恐ろしいほどの才能に圧倒され、
いったいどういう人なのかと調べてみると、バイオフィードバック・ミュージックという、
脳波や眼球運動を電気信号に変換し音響化した音楽の先駆者という、
実験音楽家の巨匠デヴィッド・ローゼンブームの息子さんだそう。

解説だけ読んでも、その実験音楽はなんのことだかさっぱりわかりませんが、
そんな父君を持つ影響なのでしょうね。ダンは5歳からピアノを始め、
トランペットに持ち替えてクラシックのトレーニングを積み、
ニュー・ヨークのイーストマン音楽学校へ通って勉強するうちに、
即興音楽に興味を持つようになったという経歴が、すべてを物語ります。

ジャズ、ロック、プログレ、エレクトロニカなど、さまざまな異相を持つサウンドは、
ひとところに安住することを良しとせず、ジャンルの制約を超えて、
自由にメロディやハーモニーを組み立てています。
ダンが提示する楽曲・コンセプトのもとで、
参加したミュージシャン各自がのびのびと創造性を発揮し、
即興を披露し、サウンドを探究した成果が、ここに集約されています。

Dan Rosenboom "ABSURD IN THE ANTHROPOCENE" Gearbox GB1557 (2020)
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