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マルチニークのクレオール・ミュージックを更新し続けるマラヴォワ

Malavoi  MASIBOL.jpg

ソロ・シンガーとして独立したラルフ・タマールがカムバックして
マラヴォワが完全復活した09年の“PÈP LA” から11年。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2009-11-25
その後、40周年記念ライヴや、大勢のゲスト歌手を囲んだ
“MATEBIS” の続編的アルバムもありましたけれど、
ずっと待ち望んでいたのは、こういうオリジナル・アルバムだったんですよ。

昨年12月4日に発売された新作は、ゲスト歌手なしで、
フロントを務めるのは、看板歌手ラルフ・タマールただひとり。
“PÈP LA” 以来のマラヴォワ新体制の布陣に代わりなく、
バンマスのパーカッション兼ヴィブラフォン奏者ニコル・ベルナール以下、
マラヴォワ流ビギン・サウンドを引き継ぐメンバーがずらり。
少し変わったのは、ストリングス・セクションに女性メンバーが増えたくらいのもの。

新作のタイトルは、クレオール語で「強い女性」を意味していて、
強い気質を持ち誇り高く生きる女性へ、敬意を表しています。
1870年のマルチニーク反乱のヒロイン、ルミナ・ソフィーや、
グアドループで奴隷制に抵抗したラ・ミュラトレス・ソリチュードなどの歴史上の人物から、
脱植民地化の詩人エメ・セゼ-ルの妻で作家のシュザンヌ・セゼールほか、
99歳で初アルバムを出した伝説の女性歌手ジェニー・アルファや、
マラヴォワと縁の深かった歌姫エディット・レフェールなど、
8人の女性の写真がライナーに飾られています。

レパートリーの大部分は、リーダー、ニコル・ベルナールのオリジナル作。
オープニングに元リーダーのポロ・ロジーヌ作‘Loup Garou’ のほか、
マルチニーク民俗楽団を率いたルル・ボワラヴィルの‘L'enfant Roi’ を
取り上げています。

今回注目に値するのはアレンジャーで、ニコルの兄でベルナール兄弟グループ、
ファル・フレットのリーダーのピアニスト、ジャッキー・ベルナールが5曲で
アレンジを手がけたほか、ジャッキーのオリジナル曲も1曲取り上げています。

このほか、ピアニスト、ホセ・プリヴァのインスト・オリジナル曲では、
新進ジャズ・ピアニストとして注目を集めるホセの息子グレゴリー・プリヴァが
映画音楽的なオーケストレーションのアレンジを施しているほか、
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2018-01-22
弦楽セクションのハーモニーとヴォブラフォンとピアノを多層的に動かしていく、
‘Bwavè’ のハイブリッドなアレンジに驚いたら、
なんと三宅純が起用されていて、ドギモを抜かれました。

う~ん、もう大満足であります。ポロ・ロジーヌの遺志を継いで、
マルチニークが産み落としたクレオール・ミュージックを前進させ、
更新し続けていることに、目頭が熱くなります。

Malavoi "MASIBOL" Aztec Musique CM2716 (2020)
コメント(2) 

コメント 2

Astral

2021年にもなってマラヴォアの新作が聴けるなんて!
でも跡を継ぐこういう編成の若いグループってのはないもんなんでしょうか。
by Astral (2021-01-12 19:30) 

bunboni

マラヴォワに範をとったグループというと、昔マホガニーとかいたけど、今も活動してるのかしらん?
今のマラヴォワじたい、若いメンバーが加わって新陳代謝が進んでいるし、フランスやポルトガルのクレオール・ミュージックのコネクションでは、マラヴォワふうのアレンジがひとつの定番にもなっているくらいだから、マラヴォワがまいた種はあちこちで芽吹いていますね。
by bunboni (2021-01-12 20:06) 

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