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カビール・ロック/ファンクの大力作 タクファリナス [中東・マグレブ]

Takfarinas  ULI-W TSAYRI - YEMMA LEZZAYER-IW.jpg

いぇ~い、タクファリナスの新作だっ!
いったい、何年ぶり? 10年の“LWALDINE” 以来かぁ、どーしてたの?
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2011-06-20

やんちゃなポップ・スターらしいキャラ全開のジャケットに、
聴く前からいやおうにも期待が高まりましたけれど、
ディスク1の1曲目で、もう飛び上がっちゃいましたよ!
いやー、嬉しいじゃないの。
ぜんぜん変わってないどころか、これまでにも増して、エネルギー全開。

若いヤツに席を譲る気はないぜといわんばかりの、現役感スパークさせまくり。
ヴェテランの余裕とか、成熟した味わいなんて、この人にはぜんぜん関係ないんだな。
ぼくと同い年で、この熱血ぶりは見習わなくちゃあ。アタマが下がります。

しかも、なんと2枚組という大作ですよ。
ディスク1の第1部は「わたしの心は愛」、
ディスク2の第2部は「わたしの母、アルジェリア」というタイトルが付いてます。
タクファリナスが自身の音楽を「ヤル」とラベリングする、
シャアビを大胆にロック/ファンク化したサウンドが縦横無尽に展開されています。
各曲のサウンドにはふんだんなアイディアを詰め込まれていて、
その手腕は、超一流のポップス職人といえますよ。
‘La Kabylie’ なんて、壮大なカビール・ロック歌舞伎を見せつけられているよう。

アタマがクラクラしそうなド派手なサウンドに、つい目くらましされますが、
タクファリナスの基本には、マンドーラの弾き語りによるカビール歌謡があり、
そのベースにアラブ・アンダルース音楽の地平が広がっているんですね。
ダフマーン・エル・ハラシのスピリットは、
しっかりとタクファリナスに受け継がれていますよ。
アゲアゲのダンサブルなトラックにも、芳醇なコクが宿る理由は、そこですね。
たくましきカビール芸人根性をすみずみまで発揮させた新作、大傑作です。

ああ、コロナ禍が恨めしいねえ。
こういうのを聴いていると、満員のフロアでもみくちゃになりながら、
汗だくになって踊りたいよ~。

Takfarinas "ULーIW TSAYRI" Futuryal Production no number (2021)
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