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サヴァイヴァーの底力 ドム・カエターノ [南部アフリカ]

Dom Caetano  DIVINA ESPERANÇA.jpg

な~んていい顔してるんでしょうか。これこそ、福顔ですよねぇ。
アンゴラのヴェテラン・シンガー、ドム・カエターノのソロ第3作。
センバの名門楽団ジョーヴェンス・ド・プレンダで、
85年から96年まで看板歌手を務め、数多くの受賞に輝いたシンガーです。
ヴェーリャ・グァルダのサンビスタみたいなご尊顔ですけれど、
58年生まれでぼくと同い年なんだよなあ。なんで、こんなに風格あるの?

ゼカ・サーとのコンビで出した18年作が快作だっただけに、
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2019-02-16
是が非でも17年作は見つけねばと、苦心惨憺の末、ようやく叶いましたよ。

本作はなんと、マティアス・ダマジオがプロデュースしたんですね。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2018-11-24
本業はプロデューサーのメストレ・フレディが、
ここではアレンジャーの役割に回っています。
こうした制作陣からもわかるとおり、懐古調センバを意図するものではなく、
若い世代にもアピールするキゾンバを中心に据えたサウンドとなっています。
センバの曲も、ルンバやキゾンバのニュアンスを加えたアレンジで聞かせているんですね。
コンパのブレイクを差し挟むアレンジなど、
フレンチ・カリブも消化されているのがわかります。

洗練されたサウンドにのせて歌う、ドム・カエターノのヴォーカルはといえば、
味のあるガラガラ声がいいんですよ。
振り絞るような歌いぶりなんて、胸に沁みるじゃないですか。
レパートリーには、粋なソンもあって、
ロス・コンパドレスを範とした歌い口に、頬がゆるみます。

芳醇な歌声には、長い内戦時代をサヴァイヴしたヴェテランの気概がにじみ、
キゾンバのサウンドでアップデートしたセンバに、より深みを与えています。

Dom Caetano "DIVINA ESPERANÇA" Arca Velha Entretenimentos AV00617 (2017)
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