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ソウル&ブルースの帝王 ウィリー・クレイトン [北アメリカ]

Willie Clayton Caesar Soul & Blues.jpg

はぁ、今作もサイコー。
やっぱウィリー・クレイトンは、現行サザン・ソウルの最高峰。
去年のアルバム・タイトル『ソウルの帝王』を上回る、
『ソウル&ブルースの帝王』というタイトルに、なんの異存がありましょうか。
御年67歳。ヴェテランならではの歌い口を、これでもかというほど堪能させてくれます。

今日びソウルらしいソウルを歌えるシンガーは、ほんとに少なくなりましたけれど、
この人くらいオールド・スクールなソウルの味わいを、
リアルに感じさせてくれる人はいません。

なんだか最近、レトロねらいのR&Bシンガーがやたらと出てくるけど、
ロードに出もしないで、黒人クラブの現場感なんてまるでないシンガーに、
肩入れはできないよなあ。チタリン・サーキットで鍛えられたシンガーとは、
歌いぶりがまるで違うもん。語りかける力、とでもいうのかなあ。
ステージから観客の女性を見つめて口説いちゃうような、<歌ぢから>がなきゃねえ。

ずいぶん昔にも、この人のアルバムにホレこんで記事を書きましたけれど、
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2009-11-05
その後コンスタントに出すアルバムも、常に水準以上なのがスゴイ。
20年作の “BORN TO SING” も良かったけれど、
ドラム・マシンがなぁ、などと正直思ったりもしてたんですよね。

でも、今回は違います。
生演奏をふんだんに取り入れたプロダクションで、がぜん聴き応えが5割増し。
ホーンは伝説のマラコ・スタジオで、
ストリングスはラス・ヴェガスで録音したっていうんだから、
ゴージャスじゃないですか。ミックスも良くなったんじゃない?

スムースな ‘On What A Night’ でスタートし、
サザン・ソウル定番の不倫ソング(間男ソング?)とおぼしき ‘Part Time Lover’ の
ステッパー2連チャンで、はやこのアルバムのトリコになりました。
ウィリーの狂おしいヴォーカルが、生演奏に映えることといったら、もう悶絶。

ロック・ギターをフィーチャーしたファンキーな ‘How You Do That’、
ブルージーなブルーズン・ソウルの ‘Get Next To You’、
ヴォコーダーも織り交ぜた ‘Love Machine’、
スロー・バラードの ‘Don't Make Me Beg’ 、
カラーの異なる1曲1曲を丁寧に練り上げていて、
過去作にまして聴き応えのあるアルバムとなっています。

楽曲も半数がウィリーのオリジナルで、
残り半数もウィリーとクリストファー・フォレストとの共作なんだから、
ソングライターとしての充実ぶりも光り輝く傑作です。

Willie Clayton "CAESER SOUL & BLUES" Endzone no number (2022)
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