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オフ・ビート・チャ・チャの名作 方逸華 [東アジア]

MONA FONG MEETS CARDING CRUZ.jpg

コン・リンとファビュラス・エコーズの紙ジャケットCDボックスが届いて、
香港ダイアモンドのボックス・シリーズ『鑽石之星』で、
ほかにどんなアイテムが出ているのか、気になってきました。
はじめにラインナップをきちんと調べもせず、レベッカ・パンに飛びついたんでしたが、
調べてみたら、『鑽石之星』(ダイアモンドのスターたち)シリーズは、
9タイトルも出ていたんですね。

トータル57枚ものダイアモンドのオリジナル・アルバムが、
ペーパー・スリーヴCD仕様となって、9つのボックスに収められているわけです。
単独アーティストのボックスは、レベッカ・パン、コン・リン、ジョー・ジュニア、
ファビュラス・エコーズ、テディ・ロビン&プレイボーイズの5組で、
残る4組はオムニバスのボックスになっていました。

オムニバスのなかには、以前記事にしたことのある
タン・ケイチャンの『鄧寄塵之歌』が入ったボックスもあります。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2015-10-25
そして驚いたのが、長年探し続けるも、
とうとう手に入らずじまいのレコード2枚が揃って入っていたこと。
まさかこの2枚がCD化されていたとはツユ知らず、大カンゲキです。
偶然にも2枚とも同じオムニバスのボックスに入っていて、即オーダーしましたよ。

その1枚が、上海生まれの方逸華(モナ・フォン)の60年作です。
モナ・フォンは、シンガポールと香港のナイトクラブに進出して成功し、
当時の海外ヒット曲の英語カヴァーを歌って有名になった人です。
その彼女がダイアモンドで録音した60年作は、
タイトルに「カーディング・クルースとの出会い」とあるように、
香港と東京を往復して活躍したフィリピン人ピアニスト、
カーディング・クルースのオーケストラが伴奏したアルバムで、
コン・リンの60年作と肩を並べる、オフ・ビート・チャ・チャの二大傑作です。

カーディング・クルースは、コン・リンの記事でも触れたとおり、
オフ・ビート・チャ・チャを日本に伝えた、いわばドドンパのオリジネイター。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2023-02-09
そのカーディング・クルース・オーケストラが伴奏で、
コン・リンのアルバムで伴奏をしたセルソ・カリージョがアレンジを務めるという、
オフ・ビート・チャ・チャの両巨頭が顔を揃えた重要作なのです。

「黄色いサクランボ」で始まり、
「ブンガワン・ソロ」や「夜来香」といったレパートリーを、
英語とマンダリンを交えて歌うモナ・フォンは、コン・リンとはまた異なる個性で、
アルト・ヴォイスが魅力の、ナイトクラブ歌手らしい魅力をふりまきます。

オーケストラもかなり本格的で、
ストレートにマンボと呼べる演奏もあって、聴きごたえがありますねえ。
一方、三連でハネるリズムが聴けるパートあり、
ラテン由来ではないリズムが顔を出したりと、
オフ・ビート・チャ・チャならではの楽しさもたっぷり味わえ、堪能しました。

と、ここまで書いてきて、気付いたんですが、コン・リンの60年作同様、
こちらもイギリスのセピアがLPリイシューしたもよう(CDはありません)。
両作とも近く日本に入ってくるでしょう。
「オフ・ビート・チャ・チャ祭」とか、誰か仕掛けたら、いいのに。

方逸華 (Mona Fong) 「MONA FONG MEETS CARDING CRUZ」 Diamond/Universal 0811567 (1960)
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