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バリトン・サックスでジャンプ レオ・パーカー [北アメリカ]

Leo Parker  ROLLIN' WITH LEO.jpg

ひさしぶりにソウル・ジャズのCDをいろいろ引っ張り出して聴く機会があって、
最近のオルガン・ジャズが薄味すぎて、てんで物足りないと感じるのは、
ジャック・マクダフやジミー・マグリフみたいなコテコテ・オルガン([コピーライト]原田和典)を
さんざん聴いちゃったせいなんだろうなあと、思い至りました。
そんなことを考えながら、レオ・パーカーのブルー・ノート盤を聴いてみたら、どハマリ。
こちらはコテコテじゃなくて、ブリブリ・サックスか。

ブルー・ノートのソウル・ジャズといえば、グラント・グリーン、ジョン・パットンあたりが
まっさきに上がるところでしょうけど、個人的に愛着のある盤というと、これ。
バリトン・サックス奏者レオ・パーカーの61年のお蔵入り作。
ブルー・ノート・ファンにはイケてないジャケットでおなじみの、
79年にスタートした未発表音源発掘のLTシリーズで80年に出た1枚です。
その後86年にめちゃイケてるカヴァーに変えて再発売され(笑)、
88年にCD化されました。

ブルー・ノートのソウル・ジャズ盤というと、この1曲!というアルバムは山ほどあるのに、
アルバム通して聴くと退屈、というのが多いですよね(個人の感想です)。
でも、レオ・パーカーの本作は、アルバム全編ゴキゲンな一枚。
なんで、これお蔵入りしちゃったの?というアルバムです。

なんといっても嬉しいのが、いろんなタイプの曲をやっているところ。
スウィング・ジャズあり、スロー・ブルースあり、ジャンプ・ブルースあり、
ジャイヴ・ナンバーありで、まったく飽きさせることがありません。
ぼくがソウル・ジャズに関心を持つようになったのは、ジャズからではなくて、
ジャイヴやジャンプ・ブルース経由だったので、
なおさらこのジャンプ寄りのレパートリーが嬉しいんです。

これぞジャンプ・ブルースといったイリノイ・ジャケーの ‘Music Hall Beat’ では、
ロッキン・リズムにのって、バリトンの音圧を生かしたブリブリのブロウが痛快至極。
コールマン・ホーキンスの ‘Stuffy’ を取り上げているのも嬉しい。
ルイ・ジョーダン調のジャイヴ・ナンバーで、
45年のオリジナル曲のテンポを少し落として、
小粋なジャイヴ感覚を強調しているところが、いいんだなあ。

ふと思えば、ジャズ・ファンにはよく知られたレオ・パーカーですけれど、
ジャンプ・ブルース・ファンは、レオ・パーカーを知らない人が多いんでは。
ブルース・ファンは、ブルー・ノートなんてチェックしないもんなあ。
レオ・パーカーの本作は、「ブルー・ノートでジャンプ」の名作ですよ。

Leo Parker "ROLLIN’ WITH LEO" Blue Note CDP784095-2
コメント(6) 

コメント 6

笹井章

Blue Noteもチェックしているblues fanです(笑)。とはいえ、レオ・パーカー初めて聴いてみました。いいですねえ。こんな人がいましたか。あまりsoul jazz感はないですが、本来の踊れるジャズ。61年という年を考えると、bebopもそろそろ後半に突入する時期で、この作品はトレンドではなかったかも知れません。
ストリーミングの時代になり、70年代前半ChessやImperialをレコード店で手にしながらジャズを横目で気にしていたものからすると、今更フィジカルで買い集めるのも無駄が多く、とてもいい時代になりました。
by 笹井章 (2023-05-05 10:00) 

笹井

先程の投稿で、bebopはHardBopの間違いでした。
by 笹井 (2023-05-05 10:04) 

bunboni

おっしゃるとおり、61年という時代がお蔵入りの理由でしょうね。
by bunboni (2023-05-05 14:03) 

テルミヤタ

レオ・パーカーといえば、ブルーノート録音より、1947年~50年にかけての、サヴォイ、プレスティッジ、ゴッサムへの録音の方がトドメを刺すという感じです。
更に、もっと凄いのが1947年のイリノイ・ジャケーとの北米ツアーのライブでしょう。
観客の異様な盛り上がり、歓声や嬌声渦巻く当時のクラブの雰囲気がビンビン伝わって来ます。
ジャズが若者の音楽だった時代の貴重な記録でしょう。
by テルミヤタ (2023-06-15 11:29) 

bunboni

レオ・パーカーのサヴォイ録音は聴いたことがないなあ。
1947~1950年というと、フランスのクラシックスがクロノロジカルに編集したCDがありましたね。
それは持っていませんが、アップタウン盤の “TORONTO 1974” は持っています。
全盛期のイリノイ・ジャケー含む4管で最高のライヴですね。
これに比べたら、ブルー・ノートのなんとお上品なことか(笑)。
by bunboni (2023-06-15 19:07) 

bunboni

× “TORONTO 1974” 
○ “TORONTO 1947”
by bunboni (2023-06-15 22:36) 

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