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ルンバ・コンゴレーズの知られざるオルケストル オルケストル・コンチネンタル [中部アフリカ]

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新年の聴き初めをルンバ・ロックで迎えたら、
元日早々ルンバ・コンゴレーズ専門店のバオバブから、新入荷のお知らせメールが届きました。
「こらまた奇遇な」とひとりごちながらカタログをチェックしてみると、
以前品切れで涙をのんだオルケストル・コンチネンタルが再入荷しているじゃないですか。
わーい、やったあー。これはぼくにとっては嬉しいお年玉。う~ん、今年はいいことありそう。

オルケストル・コンチネンタルは、ドクトゥール・ニコ率いるアフリカン・フィエスタ・スキサの
シンガーだったジョスキーが中心になって結成したバンド。
のちにジョスキーとともにTPOK・ジャズに移籍したシンガーのウタ・マイや、
ギタリストのボポールも在籍していたとはいえ、
このオルケストルの存在を知っている人は、マニアくらいのもんでしょうね。
71年から74年頃までのごく短い期間しか活動しなかったため録音が少なく、
ソノ・ディスクのコンピレーションCD2枚(36513, 36534)に
3曲ずつ収録されていたのしか知らなかったので、
単独復刻の10曲入りフル・アルバムが出ていることを知った時は、びっくりでした。

あらためて聴いてみると、
ルンバ・コンゴレーズの群雄割拠時代ならではのオルケストルという感を強くします。
フランコ、ロシュロー、ドクトゥール・ニコといった大物の陰で、
実力あるメンバーたちが集合離散を繰り返しながら、シーンを熱くしていたんですねえ。

ヴォーカル・ハーモニーは甘くとろけるオールド・ファッションなスタイルを保っていながら、
ホーン・セクションはソウルフルで、濁ったトーンを吹き鳴らすテナー・サックスや、
歯切れのよいアルト・サックスのソロが飛び出します。
きびきびとした硬い音色を響かすギターもバンド全体をきりっと引き締めていて、
ルンバ・コンゴレーズの良き時代のサウンドを堪能することができます。

一部の曲では、明らかにジェームズ・ブラウンの影響と思われるホーンのリフも飛び出し、
スウィートなコーラス・ハーモニーとファンキーなサウンドが折衷する
アンサンブルの妙味にも耳を奪われます。
録音当時を考えると、新世代の登場でルンバ・ロックへとなだれ込んでいった時期でもあり、
ホーン・セクションを抱えたルンバ・コンゴレーズ世代のバンドが、
時代遅れとなりつつあった時代とも重なっていました。
こうした録音は、旧世代なりに新しいサウンドへの対応を模索した跡だったのかもしれません。

マニア向けの一枚とはいえ、当時の歴史を深掘りしたいファンには、
あれこれと考えさせられるところの多い、格好のアルバムなのでした。

Orchestre Continental "LES GRANDS SUCCÈS DE L’ORCHESTRE CONTINENTAL" Edition Kaluila KLO174
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