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ファドの冬 カルロス・ラモス [南ヨーロッパ]

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冬になるとファドを聴きたくなります。
寒い季節にならないと、ポルトガル・ギターのキンとした響きに身を浸す気分にならないというか、
逆に考えてみると、夏にファドを聴いたことなんて、これまで一度もないかも。
で、ファドを聴くにはいい季節となったわけですが、
久しぶりに手が伸びたのは、男性ファディスタのカルロス・ラモス。

この人のファドはロマンティックで、あったかいんです。
ゴリゴリとこぶしを回すようなタイプとはぜんぜん違い、
ソフトな声で、包み込むような歌に味わいのある人です。
マリア・テレーザ・デ・ノローニャが好きな人なら、
カルロス・ラモスもぜったい好きになると思いますよ。

カルロス・ラモスは07年リスボン生まれ、
44年にアマリア・ロドリゲスのライヴ盤で有名なファド・ハウス、カフェ・ルーゾでデビューしました。
もともとは歌手でなくポルトガル・ギタリストで、ベルタ・カルドーゾの伴奏を務めていたそうです。
二十歳を越えた頃から、ポルトガル・ギターを弾きながら歌ったところ大評判となり、
一躍有名なファディスタになったんだそうです。

カルロス・ラモスのオリジナル・アルバムでCD化されているものは、
ぼくが知る限り3タイトルありますけれど、一番好きなのが59年作の“EVENING IN LISBON”。
タイトルがなんで英語なのかはわかりませんが、
カルロスらしい心あたたまるファドが堪能できる作品です。
セカンド・ギタリストを入れず、ギターとポルトガル・ギター2台だけのシンプルな伴奏が
いっそう弦の響きを美しく際立たせていて、カルロスの歌唱を引き立てます。

Carlos Ramos "EVENING IN LISBON" iPlay IPV1448-2 (1959)
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