SSブログ

まろやかなスウィート・ソウル ジョン・スタッダート [北アメリカ]

John Stoddart.jpg

この冬、冷えた身体をあっためてくれるR&B/ソウルの1枚に出会えました。

フィラデルフィア出身のシンガー・ソングライター、ジョン・スタッダートの新作です。
アクースティック・ギター、ピアノ、ドラムスすべて生音の、
プログラミング控え目でオーガニックなサウンド・プロダクションが、耳に優しく響きます。
ガチャガチャうるさいR&Bはウンザリという向きには、ぴったりのアルバムでしょう。

ロマンティックなソウル・チューンを書く人で、
スムースに流れつつもフックの効いたメロディーに、ソングライティングの巧さを感じさせます。
セリーヌ・ディオン、アル・ジャロウ、ウィル・ダウニング、テイク・6、パティ・オースティン、
ボブ・ジェイムズなど数多くのアーティストに曲を提供、アレンジ、プロデュース、バック・コーラスに
名を連ねてきたという経歴も、なるほどとうなずける人ですね。

ジェイムズ・イングラムやビル・ウィザーズと似たタイプの、コンテンポラリー色の強いソウルなため、
中庸と後ろ指を指す人もいそうですけど、よっぽどのひねくれ者でもない限り、
まろやかなサウンドにのるジェントルなヴォーカルを嫌う人はいないでしょう。
温かな声質とおだやかな歌いぶりに派手さはないものの、素直に耳に馴染み、
聴き進むほどに甘酸っぱい気持ちが胸を満たしていくようです。

柔らかいコーラスや流麗なストリングスといったオーセンティックなプロダクションも、
楽曲の良さとじっくり向き合うのにぴったりの演出となっていて、
落ち着いて聴ける、大人向けのアルバムに仕上がりました。

John Stoddart "FAITH HOPE LOVE" Urban Junction East 101123 (2010)
コメント(4)