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逆境に強いオンナ K・ミシェル [北アメリカ]

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ティワ・サヴェイジを絶賛愛聴しながら、ふと思ったのは、
R&B/ヒップ・ホップの女性シンガーで、
ここ数年ツボにはまったアルバムがぜんぜんないなあということ。

なんて思った矢先、でくわしちゃいました。
K・ミシェルというメンフィス出身のR&Bシンガーの新作。
これが3作目だそうですが、ぼくは初めて知りました。
風船ガムを膨らませた横顔、風船ガムの中には男が閉じ込められ、
背景には、「Fake Booty(いんちきの尻)」「Bipolar(双極性障害)」「Liar(ウソつき)」
「Intimidation(脅迫)」だのといった言葉が並べられた、珍妙なアートワーク。

ミッシー・エリオットみたいな人かしらんと思いつつ試聴してみたら、
歌ぢからとしかいいようのない歌いっぷりに、イッパツでマイっちゃいました。
太い声質がいいなあ。シャウトしても暑苦しくならないし、これみよがしにもならない。
間違いなく実力派なんだけど、歌唱力を誇るんじゃなくて、
歌いたいことがある人の歌という感じが、すごく伝わってくる歌ですね。
切実な歌いぶりに、すごい説得力があります。

ライナー内の写真も、表紙に負けず劣らず強烈で、
上半身裸の背中に5本のナイフが突き刺さったままワインを呑んでいたり、
股間をリンゴで隠したヌードあり、やたらと明るいエログロ路線。
なんでもご本人、ゴシップの多い人なんだそうで、各方面からディスられまくっているんだとか。
それに反発してのアートワークなんだそうで、う~ん、根性ありそう。
逆境に強いオンナの気風の良さみたいなところが、ますます好みであります。

K. Michelle "MORE ISSUES THAN VOGUE" Atlantic 554343-2 (2016)
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