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13年ぶりの大人のゆりかご シーラ・マジッド [東南アジア]

Sheila Majid  BONEKA.jpg

うわぁ、やっと新作を出してくれましたね、シーラ・マジッド。
ハリラヤ・アルバムがあったとはいえ、ポップ・アルバムのスタジオ新作としては、
04年の“CINTA KITA” 以来なんだから、本当にずいぶん待たされたものです。

「マレイシアのポップ・クイーン、シーラ・マジッドの完全復活」と書いてから6年。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2011-10-20
その記事を「再始動」と題したものの、
そこからまたしても、シーラの姿は視界から消えてしまったんですよね。

シーラのオフィシャル・サイトもまったく更新されず、
どーしちゃったんだよー、と嘆き節の日々で、
マレイシアの若手フォロワー、アティリア嬢に、
シーラの影を追ったりしていたものでした。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2014-01-23

ファンが長年待ち焦がれたこの新作、
プロデューサーには、インドネシアのトーパティが起用されています。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2016-06-07
前作のハリラヤ・アルバムでは、アチスのプロデュースに不満を感じていたので、
思い切って国外の才能に目を向けたのは、大賛成。

かつてシーラを輝かせた、ロズラン・アジズのプロデュースの手腕を知る者には、
クリシェやクリスダヤンティらを手がけた敏腕プロデューサー、
トーパティなら申し分ない人選といえます。
ラストの英語曲のバラードのみ、シーラの古くからのパートナー、
ジェニー・チンがプロデュースしていて、友情出演的な起用もファンには嬉しいところ。

さて、その新作、たおやかで柔らかなシーラの歌い口は、昔のままです。
もちろん20代、30代の時のような、キラキラッとした輝きはなくても、
大人のポップスを楽しませてくれる落ち着いた歌いぶりに、
長年の喉の渇きを癒されます。
ユーモラスな愛らしいメロディの1曲目から、楽曲も粒揃い。
力の抜けたゆるさが心地よい、大人のゆりかごのようなポップス・アルバムです。

Sheila Majid "BONEKA" Magada Entertainment/Universal 5756021 (2017)
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