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セカンド・ライン・ファンクのクイーン シャーメイン・ネヴィル [北アメリカ]

Charmaine Neville  QUEEN OF THE MARDI GRAS.jpg

真夏の定番の話題をもうひとつ。
これは納涼用に夜聴くアルバムではなくて、
暑い夏は熱く燃えようぜ!という、真っ昼間のダンス・アルバムであります。

ネヴィル・ブラザーズのチャールズ・ネヴィルの娘、
シャーメイン・ネヴィルの最高傑作、98年の“QUEEN OF THE MARDI GRAS” です。
タイトルそのまんま、マルディ・グラのお祭り気分をたっぷり味わえる、
これぞニュー・オーリンズといった一枚で、愛聴されている人も多いんじゃないかな。

“Iko Iko” “Mardi Gras Mambo” “Second Line” “Mardi Gras in New Orleans” など、
おなじみの曲をハツラツと歌うシャーメインは、
さながら、ニュー・オーリンズのおてんば娘、といったところ。
ヒャッハァー! といった吹っ切れた歌いっぷりも気持ちいいんですけれど、
そのヴォーカル表現にはなかなか奥行きもあって、
ただ陽気なばかりじゃないってところに、引きこまれます。
アルバム・ラストの“Clean Up” で、終わりを告げるマルディ・グラを見送るような、
哀切のこもった歌いぶりも、味があります。

スタジオ・ライヴのような感じでレコーディングされた
ライヴ感あふれる演奏は、ギミックなしのストレイトさで、胸をすきます。
曲によりバリトン、アルト、ソプラノとサックスを吹き分けている、
レジー・ヒューストンが大好演。本作のサウンドの要となっています。
山岸潤史の職人的なギターも、随所で光るプレイを聞かせていますよ。

セカンド・ライン・ファンクの合間に、
メンバーみんなで口笛を吹く“Whistle Krewe” のような曲があったりと、
アルバムは変化に富んでいて、楽しいことこの上なし。

シャーメインはこのアルバム以前の92年に、自身のバンドを率いて来日し、
ニューポート・ジャズ・フェスティバル・イン・斑尾に出演していたそうです。
05年のハリケーン・カトリーナの被害では、シャーメインが生々しい惨状を伝えて、
話題を呼んだこともありましたね。
その後、CADASIL(遺伝性脳小血管病)という
難病と闘っているという話を聞いて心配しましたが、
2017年の今も、元気にライヴ活動をしているようです。

Charmaine Neville "QUEEN OF THE MARDI GRAS" Ten Birds GT1120 (1998)
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