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ペルーのソングライター アンドレス・ソト [南アメリカ]

Andrés Soto  EL BRIBÓN.jpg

去る7月7日に68歳でこの世を去った、
ペルーのヴェテラン・シンガー・ソングライター、アンドレス・ソトの14年作。
長くステージやレコーディングから離れていたため、
復帰作として歓迎されたアルバムだったにもかかわらず、
これが遺作となってしまったようです。

本作はアンドレス・ソトの代表曲“Negra Presuntuosa” “El Tamalito”
“Quisiera Ser Caramelo” “El Membrillito” などに、
新たに書き下ろした曲を、若手ミュージシャンをバックに歌っています。
ピアノ、ヴァイオリン、サックス兼クラリネット兼フルート、ギター、
ベース、カホンに女性コーラスという編成で、
クリオージョやアフロペルーを取り入れた
ペルービアン・ジャズの洗練されたサウンドを聞かせます。

ウィキペディアによれば、
チャブーカ・グランダやノーベル賞作家のバルガス・リョサから賞賛されたとのことで、
エバ・アイジョンやスサーナ・バカ、タニア・リベルタ、フリエ・フレウンドなど、
多くの歌手が彼の作品を歌っているんですね。

ちょっとキューバのヌエバ・トローバのペルー版みたいな立ち位置の人で、
歌はうまくないし、その歌い口も、正直、ぼくの苦手なタイプではあります。
不安定な歌いぶりの“Camina Negro Trabaja” など、一瞬耳を覆っちゃいました。
やはり歌手ではなく、作曲家の人ですね。
それでもバックのセンスのいいサウンドに、全体を通して抵抗感なく聴き通せます。
ヴァイオリンの艶やかな響きが、すごくいいアクセントになっています。

ブルース・ロック調にアレンジしたタイトル曲の“El Bribón” など、
この人らしい面白い仕上がりですね。
個性的な作風をもつアンドレス・ソトのソングライターとしての良さを引き出した一枚です。

Andrés Soto "EL BRIBÓN" Liliana Schiantarelli Producciones no number (2014)
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