SSブログ

輝くグリオ声 アイダ・サンブ [西アフリカ]

Aida Samb  WOYALMA.jpg

セネガル期待の新人アイダ・サンブの新作が届きましたよ。
デビュー作から5年ぶりとなる、セカンド・アルバムです。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2015-11-22

グリオの出自をくっきりと示す、鋼のように強い声には少し苦味もあって、
この声だけで、ご飯3杯いけますみたいな、味のあるいい声ですねえ。
往年のヴェテラン歌手キネ・ラムを継ぐ声の持ち主は、間違いなくこの人だなあ。

1曲目から、タマとサバールのパーカッションが豪快に弾けまくるンバラが炸裂。
ゲストのパペ・チョペットが後半で攻撃的なタスをぶちかましてくれます。
2曲目はがらりと変わって、ポップなナンバー。
ンバラではなく、少しテンポを落としたミディアムのラヴ・ソング。
デビュー作にはなかった新機軸ですね。
こういう曲でも、サンブの声はフックできらっと光りますねえ。
ハラムを前面に据えた伝統的なナンバーでは、
これぞグリオといったコブシの利いた節回しで聞かせてくれます。

驚いたのは、ラスト・トラックにフィーチャリングされたナイジェリアのウィズキッド。
こいつ、欧米進出だけじゃなく、セネガルまでマーケットを広げようとしてんのか。
すっかりスーパースター気取りで、う~ん、ヤなやつだな。
ちなみに、ぼくはウィズキッドをまったく評価しておりません。
プロデューサーの勇み足だな、この起用は。

ウィズキッドの起用は無内容の蛇足でしたけれど、
デビュー作の肩に力が入りすぎていたところも今回はなくなり、
順調に成長をうかがわせる快作となりました。

Aida Samb "WOYALMA" Prince Arts no number (2017)
コメント(0)