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LPデビュー前の初期シングル編集盤 アインラ・オモウラ [西アフリカ]

Ayinla Omowura  Alujonu Elere.jpg

ええぇ~???

デスクトップの画面に向かって、人前で大声あげちゃいましたよ(恥)。
エル・スール・レコーズの新入荷のページに載った、
アインラ・オモウラの“VOL.21”と書かれた見覚えのないCD。
http://elsurrecords.com/2018/03/05/ayinla-omowura-alujonu-elere/

心の中で「なんじゃ、そりゃぁ!!!」と絶叫しながら、
あわてふためいて、取り置きのお願いメールを打ったのでした。
原田さんから「ラスト1でした」の返信をもらい、ホッと胸をなでおろし、
すぐさま謎の「第21集」のリサーチを始めましたよ。

「謎」というのは、ナイジェリア、アパラの大スター、アインラ・オモウラが、
71~81年にナイジェリアEMIから出したLPは、第20集までだからです。
第21集が出ていたなんて、聞いたこともない。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2009-09-10
アホみたいに大騒ぎをしたのは、そういう理由からだったんです。

遠藤斗志也さんのディスコグラフィにあたって、ナゾは判明しました。
http://endolab.jp/endo/EAOmowura.html
タイトルを照合すると、第19集と第20集の間にリリースされていた、
初期シングルの編集盤だったんですね。
第21集を銘打ちながら、レコード番号が498番という、
第20集より若い番号となっていたのは、そういうことだったのか。

アインラ・オモウラが生前に出したのは第18集までで、
第19集と第20集は没後に出されたものなのですが、
その間に出た“Great Hits” のサブ・タイトルの付いた編集盤を、
CD化に際して第21集としちゃったわけですね。
まったくもー、人騒がせなんだから。

で、この『第21集』、デビューLPの『第1集』をリリースする前に出された
シングル盤を集めたものらしく、6トラックが収録されています。
曲目リストには9曲のタイトルが載っているので、
何曲かがメドレーとなっているようですね。

現時点のディスコグラフィで判明しているシングルは、以下の4枚。
70年6月録音の“Aja T'o F'oju S'ejo”(番号不明)、
70年9月録音の“Ema Fowo S’oya Si Wano”(HNEP 506)、
71年7月20日録音の“Danfo O Siere/Ema Tori Owo Pania”(HNEP 533)
“Anjonu Elere”(HNEP 534)。

上記のうち、初シングルの“Aja T'o F'oju S'ejo” だけが曲目にはなく、
70年9月録音のシングルがほかに2枚ある(曲目・番号不明)ことがわかっているので、
以上の5トラックに、もう1トラックを追加した内容となっているものと思われます。
聴いてみると、6トラック目の曲のみ、アインラ・オモウラの声の感じが違うので、
これだけが上記以外の別の録音時のものなのかもしれません。

アインラ・オモウラは、50年代にレコード(SP)・デビューを果たしていたものの、
当時アパラの大スターだったハルナ・イショラとスタイルが違うことから、
大手のレコード会社から、なかなか目をかけられずにいました。
70年にロンドン帰りのナイジェリアEMIのレコーディング・エンジニア、
ベンソン・イドニジェが、アインラの才能を見出してレコーディングをするも、
大物ディストリビューターのチーフ・ボラリンワ・アビオロに
取扱いを拒否されたほどでした。

アビオロにディストリビュートを断られたイドニジェは、
わずか300枚のプレスからスタートしましたが、イバダンでウケが良いことを知り、
イバダンのディストリビューター、アルハジ・アデトゥンジに卸すと、
瞬く間に1000枚が売れ、4500枚が追加オーダーされました。
ここから、アインラ・オモウラの快進撃が始まり、
イドニジェはさっそく初LPの制作にとりかかり、
71年に出た『第1集』は、5万枚を超す大ベスト・セラーとなったのです。

Ayinla Omowura and His Apala Group "ALUJONU ELERE" Ivory Music NEMI(CD)0498
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