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イディッシュ・コメディ ミッキー・カッツ [北アメリカ]

10 Mickey Katz.jpg   01 Mickey Katz And His Orchestra.jpg
02 Mish Mosh.jpg   03 Katz Puts On The Dog.jpg
04 Plays Music For Weddigs, Bar Mitzvahs And Brisses.jpg   05 The Most Mishige.jpg
06 Katz Pajamas.jpg   07 Comin’ Round The Katzkills.jpg
08 The Borscht Jester.jpg   09 Sing-Along With Mickele.jpg

ミッキー・カッツが素晴らしいクラリネット奏者であったことは、
90年代のドン・バイロンによる再評価で知ったクチですけど、
コメディアンとして一世を風靡したというカッツの歌は、その後だいぶたってから、
カッツのキャピトル盤LPをまとめて入手して、ようやく知りました。
このあたりの音源は、ほとんどCD復刻が進んでいませんね。

カッツが冗談音楽のパイオニア、スパイク・ジョーンズのシティ・スリッカーズに
在籍していたというのもナットクの歌いっぷりに、ただただ唖然。
英語とイディッシュ語をちゃんぽんにしたコミカルな歌や、
曲中クレズマーのパートを何度も挿入して、場面をがらりと変えるアレンジは、
効果音で形態模写をするスパイク・ジョーンズとは、
また違う音楽性を持った芸人さんだったことがわかります。

英語やイディッシュ語がわかれば、
もっとカッツのお笑い芸の面白さがわかるんでしょうけどねえ。
アルバム・タイトルからして、黒田晴之さんの『クレズマーの文化史』によれば、
「しっちゃかめっちゃか」(MISH MOSH)だの、
「めっちゃバカ」(THE MOST MISHIGE)というのだから、
どれだけ笑えるものだったのやら、う~ん、言葉の壁の厚さがもどかしい。
日本語がわからない外国人が、トニー谷を聞いてるようなもんざんす。

とはいえ、音楽を聴いているだけでも、
1曲の中で、アメリカのポピュラー・ミュージックと
クレズマーが入れ替わる面白さに、おなかがよじれます。
素っ頓狂な場面展開に、ヴェトナムのカイルオンやミャンマーのミャンマータンズィンを
思い浮かべるのは、ワールド・ミュージック・ファンの性(さが)でしょうか。
ハヤりものならなんでも見境いなく取り込む、芸能音楽のタフな雑食性に、
ミッキー・カッツの本領が発揮されています。

[EP Album] Mickey Katz "BORSCHT" RCA EPB3193
[LP] Mickey Katz "MICKEY KATZ AND HIS ORCHESTRA" Capitol T298
[LP] Mickey Katz "MISH MOSH" Capitol T799 (1957)
[LP] Mickey Katz "KATZ PUTS ON THE DOG!" Capitol T934 (1958)
[LP] Mickey Katz "PLAYS MUSIC FOR WEDDINGS, BAR MITZVAHS AND BRISSES" Capitol T1021 (1958)
[LP] Mickey Katz "THE MOST MISHIGE" Capitol T1102 (1958)
[LP] Mickey Katz "KATZ PAJAMAS" Capitol W1257 (1959)
[LP] Mickey Katz "COMIN’ ROUND THE KATZKILLS" Capitol W1307 (1959)
[LP] Mickey Katz "THE BORSCHT JESTER" Capitol T1445 (1960)
[LP] Mickey Katz and “Der Ganser Gang” "SING-ALONG WITH MICKELE" Capitol T1744 (1962)
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