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インドネシアのレトロ・ポップ ノナリア [東南アジア]

NonaRia.jpg

パッケージの洒落たイラストレーションに思わず手に取ると、
裏側から見開きとなっている変型ジャケットの中には、
メンバー3人それぞれと全員のイラストが描かれた4枚のミニ・ポストカードに、
四つ折りの歌詞カードが封入されていました。
これだけでも、パッケージ好きにはニコニコしてしまうんですが、
ステキな音楽までもれなく付いているんだから、なんて嬉しいんでしょう(←倒錯)。

スネア・ドラムを叩きながら歌うヴォーカルに、
ヴァイオリンとアコーディオンのインドネシアの女性3人組、ノナリアのデビュー作です。
SP時代を思わせる古めかしいモノラル録音で、
20年代のラグタイムやスウィング・ジャズをベースとした音楽をやっています。

13年の結成当初から、メンバー一人だけが変わり、
新加入したヴァイオリンのヤシンタは、ジャカルタ交響楽団のメンバーだとか。
齢の異なるメンバー3人のキャラ立ちもよろしく、
なんともユニークな音楽性を持ったグループです。

全8曲、わずか24分という短さですが、
どれも心がほっこりと温かくなる、ハッピーな曲ばかり。
これがすべてメンバーのオリジナルだというのだから、。驚かされます。
ノスタルジックなワルツや、ほがらかなスウィングのメロディには、
イラマ・トリオが活躍した50年代インドネシアのジャズ歌謡センスが蘇るようで、
国際都市ジャカルタの歴史の深淵を、垣間見る思いがします。

NonaRia "NONARIA" BandTemenLoe/Demajors no number (2017)
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