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イサーンの節回し ノーンマイ・ムアンチョンペー [東南アジア]

Nongmai MuangChompae  FAN KAO KUE PAO MAI.jpg

ルークトゥンやモーラムは、ごく一部の人気歌手をのぞき、
ほぼCD生産をストップしてしまったみたいですね。
フィジカルはMP3 CDかカラオケVCDのみになりつつあるというこの傾向、
タイばかりでなく、ほかの国にもどんどん広がっていくんだろうなあ。
というわけで、めぼしい新作が手に入らなくなったタイ歌謡でありますけれど、
旧作のなかから、絶品のモーラムを見つけちゃいました。

ノーンマイ・ムアンチョンペーというこの女性歌手、
ジャケットを見ると、かなりキャリアのありそうな顔立ちで、
イントロからいきなりググッと引き込まれました。
なに、このボトムの厚み。
地を這うベース・ラインのグルーヴィなことといったら、こりゃ、たまら~ん!

レーベルがグラミーのような大手ではなく、ダイアモンドという庶民派レーベルなので、
アレンジもたいして凝っておらず、プロダクションも豪華とはいかないものの、
このグルーヴは天下一品でしょう。
タメの利いたベースが、ビートに重量感をもたらし、
中低域が薄くなりがちなモーラムのサウンドを、ぐっと聴きごたえあるものにしています。

ノーマン・ムアンチョンペーのイサーン丸出しのこぶし回しが、
文句なしの実力を発揮しています。クセの強い声も、いいなあ。
楽団一座を率いて、ドサ回りを相当こなしてきた者でなければ、
バンドを引っ張っていく、これだけの歌いっぷりはできないでしょう。
これぞイサーンといった節回しが、本場モーラムの濃厚な味わいを醸し出し、
スロー・ナンバーのイサーン・ルークトゥンも、実に味わい深く歌っています。

Nongmai MuangChompae "FAN KAO KUE PAO MAI" Diamond Studio TOP751 (2013)
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