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オルカディアン・フォーク・カルテット ファラ [ブリテン諸島]

Fara  TIMES FROM TIMES FALL.jpg

ハンナ・ラリティのデビュー作の記事にいただいたコメントで、
山岸伸一さんから教わった、スコットランド、オークニーの女性4人組ファラの新作。
フィドル3人とピアノというユニークな編成のグループで、今作が2作目。

オープニングのポルカ、ジグ、リールの三連メドレーから、もうエキサイティング。
キリリと立ち上る3台のフィドルの響きに、
後ろからピアノがゴンゴンと打楽器の如く押し出していく
若々しいプレイに、ワクワクしちゃいましたよ。
曲はすべて彼女たちのオリジナルですけれど、
どれもオークニーの伝統に沿っていて、知らずに聞けば、伝承曲としか思えませんね。

ソングの可憐なみずみずしさにも、目を見開かされます。
う~ん、若いって、ほんとにいいねえ。
コーラス・ハーモニーも音を重ねて厚みを作るのではなくて、ずらしてレイヤーしたりと、
さりげないんだけど、アレンジに繊細な工夫が施されているのがよくわかります。
ピアノもアクースティックばかりでなく、‘See It All’ ではエレクトリックを使い、
柔らかな音色使いで、心あたたまるサウンドを作り出していますね。

ラスト・トラックは、短編映画を観るかのようなドラマを感じさせるインスト演奏で、
アルバムの聴後感をとても豊かなものにしていて、満足度はもう100%。
作編曲のアイディア、音色の選択、リズム・センスと、
いずれも抜きん出た音楽性を持つこの4人組、すごい才能です。
前作の垢抜けないフォークぽいジャケット・デザインから、
一転ロック・バンドかとみまがうカッコいいジャケットになったのにも、
オルカディアン・フォーク・カルテットとしての気概を感じさせます。

Fara "TIMES FROM TIMES FALL" Fara FARA002 (2018)
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